六代目山口組の司組長(時事通信フォト)
神戸山口組らとの分裂抗争を一方的な宣言により終結させた六代目山口組。以降、「失われた10年」を取り戻すかのごとく組織改編を続けているが、今後の山口組の方向性が窺える大きな人事が行なわれたことがわかった。実話誌記者が語る。
「9月8日、六代目山口組の司忍組長、高山清司相談役(前若頭)、竹内照明若頭の出身母体である中核組織・弘道会で新しく四代目会長が決まった。同組織ナンバー2だった野内正博若頭が会長に昇格。会長だった竹内若頭は“総裁”に就任しました。“総裁”にはこれまで高山相談役が就いていたが、外れることになった」
この弘道会の人事は暴力団関係者の間だけでなく、警察、メディア関係者の間でも大きな話題となっている。その背景には前月10日、六代目山口組が行なった「臨時の執行部人事」がある。
六代目山口組において8月は“夏休み”扱いで、会合などはほとんど開かれず、人事も秋以降がもっぱらだ。しかし、この臨時執行部会では分裂抗争の終結宣言後、これまであまり姿を現さなかった高山相談役も出席したとあって、いかにこの臨時執行部会、執行部人事が重要だったかがわかる。
「そこで主要ポストである本部長に山下昇若頭補佐が就任、森尾卯太男本部長は舎弟頭、青山千尋舎弟頭は最高顧問にそれぞれスライドする人事が発表されました。終結宣言後の六代目山口組は大幅な若返りを図っていて、分裂抗争前から執行部入りしていたのは森尾舎弟頭、青山最高顧問、竹内若頭の3人だけ。
森尾舎弟頭、青山最高顧問も執行部に残ることには変わりないのですが、“アドバイザー”的な立ち位置になると見られている。これにより事実上、竹内若頭が執行部の最年長と言っても過言ではなくなり、ついに代替わりへのカウントダウンが始まったと見られていた」(前出・実話誌記者)
その矢先に、新たに竹内若頭出身の弘道会人事が行なわれたため、大きな関心が寄せられているのだ。警察関係者もこう口にする。
「竹内若頭の七代目就任は現実味を帯びてきている。山口組の組長は原則終身制ですが、司組長と高山相談役、竹内若頭の関係性は深く、たとえ組長を譲ったとしても司組長の権力は依然残るだろう。“分裂抗争を終わらせるのが自分の責任”と司組長は口にしていたと言われているが、それもクリアされていることになる。司組長が首を縦に振れば、代替わりが実現する“土台”はできているのではないか」