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《いまだ続く広陵野球部の暴力問題》加害生徒が被害生徒の保護者を名誉毀損で訴えた背景 同校は「対岸の火事」のような反応

寮内の暴力事案は裁判沙汰に

 高校野球の名門・広陵高校硬式野球部の部内暴力問題が新展開を迎えている。学校が改めて第三者委員会を設け、今年1月に起こった1年生部員A君(現在は転校)に対する集団暴力事件および中井哲之前監督の暴言・パワハラ問題の再調査が始まろうとしているなか、加害生徒とされる一人が被害生徒の保護者らにSNS上で名誉を毀損されたとして、東京地検に告訴状を提出したのだ。

 加害者が被害者側の保護者を訴える──その背景にどんな意図があったのか。加害生徒の代理人を務める玉井伸弥弁護士に真意を聞いた。

「なかなか前例のない訴えではあるかと思います。まだ告訴状が受理されるかもわかっていませんが、今後は必要に応じて被害生徒の保護者やSNSへ投稿した方に刑事罰を求めます。仮に告訴状が受理されなかったとしても、(告訴状を提出する)行動に出ることでSNSによる誹謗中傷など二次被害の抑止力になりますし、投稿元の情報開示請求はしていくつもりです」

 第三者委員会の調査だけでなく、A君の保護者が広島県警に被害届を提出し、受理された集団暴行事件の捜査も続くなかで、あえて加害者の一人が刑事告訴に踏み切ったことは、これ以上、誹謗中傷を受け未来に影響が出ぬよう予防策をはる目的があるのだろう。

 玉井弁護士が所属する加藤・轟木法律事務所は、2023年に性加害疑惑が報じられたサッカー日本代表FW・伊東純也の弁護を担当したことでも知られる。刑事告訴した女性に対し、虚偽告訴容疑で反訴した騒動だった(双方とも不起訴となった)。

 またサッカーJ1・町田ゼルビアの選手やスタッフへのSNS上の誹謗中傷に対する刑事告訴でも同事務所が弁護団を担当。玉井弁護士は、同事務所が伊東純也、町田ゼルビアと広陵高校の弁護を担当する問題意識について、「アスリートがSNS上で標的にされ、社会的な問題に発展している点が共通する」と語った。

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