巨大化する中国のペット産業(イメージ)
中国畜産協会ペット産業支部が発表した「2025年中国ペット産業白書」によると、2017年以降、中国都市部の犬および猫の数は急速な成長期に入り、2024年には犬・猫合計数が1億2400万頭を超え、ペットに関連する市場規模は前年比7.5%増の3兆20億元(約62兆円)に達しているという。このことから、「人とペット共生の新市場」が形成されつつあると指摘している。台湾紙『中国時報』が報じている。
同白書によれば、2024年の犬関連消費市場規模は前年比4.6%増加し、猫関連市場規模はさらに大幅な伸びを見せ前年比10.7%増となった。また、犬および猫1匹あたりの年間平均消費額はいずれも2000元(約4万1300円)を超えており、市場成長傾向が顕著だという。
また、投資銀行ゴールドマン・サックスによる報告書では、中国国内のペット総数が昨年初めて4歳未満の乳幼児数を上回り、2030年までにはその倍になる可能性があるとの予測を示している。
さらに、中国最大手オンライン小売業者京東商城による調査では、飼い主のおよそ60%近くが将来訪れる高齢化や医療問題、人間関係なども考慮しながらペットとの共生生活を長期的視点で捉えていることが明らかになっている。
この調査結果では、飼い主の18.8%が「消費支出が大幅に増加した」と回答し、37.2%は「わずかに増加した」と答えている。一方、「わずかに減った」は13.7%にとどまり、中国国内では今後もペットへの支出増加傾向は確実視されている。
このようなペット数増加背景について前述白書は、「経済発展によって人々の日常生活内で感情的結び付きが希薄化し孤独感を抱える者も多い。そのため言葉こそ話さないものの、多くの人々に幸福や安らぎを与える存在としてペット需要が高まってきた」と分析している。