まだまだあるぞ!「市長の不祥事」マップ
訴えの「公表」めぐり対立
尾崎氏は思い切った行動に出た。瀬野市長からパワハラを受けたとして、正式な「ハラスメント等相談申出書」を提出(8月28日)したのだ。そして条例で設置されている「守口市公正職務等審査委員会」(弁護士や大学教授がメンバーの第三者機関)で、パワハラの事実確認の調査と審議がなされることになった。
ところが、である。
尾崎氏は申し立ての際に、パワハラと訴えた内容の速やかな公表を求めているが、守口市は〈本調査については、事実確認が決定されるまで調査審議の過程の公表は差し控えさせていただきます〉という文書を報道各社に公表し、共同通信が「申し出の内容はプライバシー保護のため明らかにせず、審議過程も公表しない」と報じただけだ。
尾崎氏が本誌の取材に応じたのはこうしたやり方に危機感を募らせたからだと語る。
「今回の補助金問題では、市議会で3月に予算が成立しなかったため暫定予算が繰り返され、必要な事業が遅れて行政サービス、市民生活に大きな影響が及んでしまった。市民はその原因がどこにあるかを知る権利があり、パワハラ被害を申し立てた本人である私も、申立書に内容を公表してほしいとわざわざ明記している。それなのにプライバシー保護を理由に内容も審議過程も公表しないというのは問題を隠したいからでしょう。市長が掲げる『開かれた市政運営』とは真逆です」
市議会から辞職勧告を受けても辞める気がないように見える瀬野市長は、市役所最高幹部である尾崎氏の実名告発にどう答えるのか。
「(第三者機関で)事実確認が決定されるまで事案の内容についてのコメントは、差し控えさせて頂きます」と文書回答した。
市政の混乱は、いつまで続くことになるのか。
※週刊ポスト2025年10月10日号