世界選手権でもロゴは削除中だった
新体操日本代表(フェアリージャパンPOLA)の選手に対する村田由香里・強化本部長によるパワハラ、男性トレーナーによるセクハラの問題を受け、2007年から日本体操協会を協賛してきた化粧品大手のポーラが、オフィシャルスポンサーの契約を解約した。【前後編の前編】
発端は2月、代表選手4人が寄宿先から出て行く「ボイコット行動」を起こし、本誌・週刊ポストが報じたこと(5月19日発売号)。
ポーラは協会に対して事実関係の調査を要請し、選手のレオタードやジャージからロゴを削除する対応を取ってきた。8月の世界選手権では初となる団体総合金メダルを獲得したが、ロゴは不掲出のまま。直後の9月4日、日本体操協会が「問題点は見当たらない」とする報告書を公表すると、それから約2週間後に解約の一報が流れた。
ポーラに解約に至った理由を聞くと、「ハラスメント有無の事実確認が出来ない状況自体が、弊社がスポンサーとして支援を行う上で大切にしている『アスリートの皆様が心身ともに健康で、安心して競技に打ち込める環境』とは言えないと判断し、スポンサー契約の解約に至っております」(ブランドコミュニケーション部)と答えた。
事態を深刻に受け止めたのが、6月まで協会の副会長として新体操部門トップを務めた橋爪みすず氏だ。2023年に副会長に就き、今回の問題で初期対応にもあたったが、6月に自ら副会長を退いていた。その橋爪氏が重い口を開いた。
「最初の報道後に藤田直志会長とともにポーラさんの意向を聞き、真摯に受け止めるべきだと感じました。長年選手の成長を見守り、昨年五輪出場を逃した時でさえ協賛を降りず『今まで通り頑張って』と言ってくれた気持ちを大切にしなければいけない、と」