群馬県草津町の黒岩信忠町長、町長からわいせつ被害を受けたという嘘の告訴をした元町議の新井祥子被告
群馬県草津町の黒岩信忠町長(78)をめぐり虚偽の性被害を告発したとして、虚偽告訴と名誉毀損の罪に問われた元草津町議の新井祥子被告。前橋地裁は9月29日、新井被告に対して、懲役2年・執行猶予5年の有罪判決を言い渡した。黒岩町長は記者会見を開き、「でたらめな電子書籍が出回って6年、われながらよく戦った」「テロや通り魔と同じ」と語った。
この問題については、2024年11月、民事裁判の判決で新井氏が黒岩町長に165万円の損害賠償を支払うことがすでに確定していたが、刑事裁判でも町長側の主張が認められた形だ。ある日突然、虚偽の告発によって苦境に立たされた黒岩町長。ノンフィクションライター・高橋ユキ氏による昨冬の独占インタビューから、黒岩町長の戦いの記録を語ってくれたコメントのエッセンスをお届けする。
* * * 群馬県有数の温泉街、草津町。2019年11月、「町長室で町長と肉体関係を持った」とする元町議からの告白文書を掲載した電子書籍が出版されたことで、町は日本国内のみならず海外からも注目を集めることとなった。
それから5年になる2024年11月26日。草津町の黒岩信忠町長が、電子書籍によって名誉を傷つけられたとして元町議の新井祥子氏や、電子書籍を執筆したフリーライターらに慰謝料の支払いなどを求めた民事訴訟で、新井氏に165万円の支払いを命じた判決が確定した。
当時、町は「セカンドレイプの町」といった汚名を着せられていたが、この民事裁判や、先んじて行なわれた電子書籍を執筆したフリーライターの刑事裁判では、「町議による性被害告発」が虚偽だったことが判明している。刑事裁判では肉体関係があったと思しき時間帯の録音データの存在が明らかになったが、そこには性暴力をうかがわせるような音声が記録されていなかった。民事裁判では、性被害の告発を行った張本人である新井氏が、告発が虚偽だったと自ら認めている。
2024年12月18日からは新井氏に対する刑事裁判が始まった。これに先立ち、筆者は民事裁判判決確定直後、黒岩町長に話を聞いていた──。