白鵬氏の構想は、柔道やレスリングのような男女の体重別で“アマチュア相撲のグランド・チャンピオン”を決める大会を目指すものとされるが、すでに同様の形式で国際相撲連盟が主催する「世界相撲選手権」がある。相撲ジャーナリストが言う。
「国際相撲連盟の役員にもなった白鵬が自身の主催する大会とどう色分けするかが注目されます。白鵬はテニスの『全米』『全豪』『全仏』『ウインブルドン』のように世界各地で開催される4大大会を作ることを目指しているようだ。現在の『世界相撲選手権』をそのひとつに組み込むのか、国際相撲連盟のもとで外国出身の元力士を各地のトップに据えて構想実現を目指すのかわからないが、60か国以上の団体が参加するかたちにして五輪競技を目指す考えだとされます」
そうした構想のなかで、相撲協会を去った外国出身の元力士が結集しているということなのか。形の上では国際相撲連盟の傘下にある日本相撲連盟に、グランドスラム構想との関係を聞いたところ、「事務員しかおらず、今はすぐにお答えできません」との応対だった。ただ、9月12日付の時事通信の報道では同連盟の勝田晃三副会長が、「世界大会に出た選手が白鵬さんの大会にエントリーするなど、より連携が取れる」と説明したと伝えられている。
協会を去った者たちが協会の脅威となる構想を実現させるのか。
※週刊ポスト2025年10月10日号