政治家の小泉進次郎氏と妻でフリーアナウンサーの滝川クリステル
2つ目は討論会での候補者たち反応だ。この問題について見解を求められた候補者たちだが、その反応はみな一様に寛容。やらせコメントも街頭演説に支援者たちを動員するのと同程度ぐらいに思っているのではという答えばかりで、事を荒立て咎める者はいない。ステマ問題への質問に対し、小泉氏の返答がかみ合わなくても突っ込む者もいない。当たり障りない彼らの態度、対応をみるに、下手にやると自分たちに矛先が向いて、藪をつついて蛇を出しかねないと思っているのでは?という疑念が湧く。大波が立てば、自分たちにも厳しい視線が向けられる。選挙におけるネット上の厳格なルールがまだない中、我が陣営は大丈夫か?と思えば、どの候補者も問題を長引かせたくはないのだろう。
この問題はそれほど大きなことでない、そんな印象を国民に与えたともいえる。騒ぎ立てて小泉氏を引きずり下ろすより、前回のように討論会での珍回答や失言で自爆してもらうに越したことはない。自民党総裁選では、米国の大統領選のような批判合戦は起こらない。他の候補者が総裁になり首相となったあかつきには、政権の閣僚ポストに起用してもらいたいという胸算用があるからだろう。事を荒立てない候補者たちの態度を見れば、自民党支持者たちの支持がこの問題で変わるとは思えない。
こう書いていると、今回の総裁選で誰が総裁になっても、結局この国の政治は変わらないだろうと思えてしまう。期待しても裏切られそうな自民党総裁選、その結果はもうすぐ出る。