”シカ発言”を受けて、日テレのニュース番組がまさかの事態になっている(時事通信フォト)
高市早苗前経済安全保障担当相(64)の“愛国心アピール”が波紋を広げている。発端は9月22日、同氏が演説会で「外国から観光に来て、日本人が大切にしているものをわざと傷めつけようとする人がいる」などと、“外国人シカ暴行発言”をしたことだ。
昨年7月に“大バズり”した「シカいじめ動画」(現在は削除)を指したとみられるこの発言に関して、SNS上では賛否が噴出した。その中で、特に話題となったのが9月29日放送の「news every.」(日本テレビ系)内でのとあるインタビューだった。キー局報道部記者が騒動について話す。
「日テレは高市氏の発言を受けて、奈良市で“検証取材“を行った。当該のコーナーでは、“奈良公園でガイド10年以上”とされる女性と、“奈良公園で飲食店25年”と紹介された男性がインタビューを受けている。
彼女らがそれぞれ、『攻撃的な観光客はあまり見かけない』『(外国人観光客は)フレンドリーにシカと触れ合っている気がします』などと語ったところ、高市氏の発言に同調していたとみられるネット民たちから大バッシングを受けた」
関連する投稿は、みるみるうちに増えた。番組のアーカイブ動画の切り抜きなどが広く拡散され、さらには“特定班”まで現れる。特にターゲットにされたのが「ガイド歴10年」とされる女性だ。
X上では、過去に他局のニュース番組や、岸田文雄元首相のぶら下がり会見に女性の”そっくりさん”が映り込んでいたことを持ち上げ、〈仕込みの役者〉と吹聴するユーザーまで現れるようになった。
「〈ヤラセだ〉〈調べたけど、奈良公園にこんなガイドは存在しない〉〈役者を使ってるんだろ〉などと真偽不明のことを投稿するユーザーが後を絶ちませんでした。アーカイブ動画で、当該のインタビュー箇所がカットされたことを指摘して〈説明しろ〉などとコメント欄を”荒らし”している人までみられる」(同前)
もともと、高市氏の意見を擁護していた人などが、日テレの番組を燃料に「過激化」しているのだろうか──。その様はもはや単なる批判を超えた、”ネットリンチ”のような様相を呈している。