小泉進次郎氏の政治資金には「不透明さ」も(時事通信フォト)
自民党の「解党的出直し」を掲げて、2度目の総裁選に挑んだ小泉進次郎氏は、自民党屈指の資金力を誇る。その資金集めの特徴は、“パーティー錬金術”と言われるものだ。人気が高いとされるわりに政治献金が少ない進次郎氏は、そのかわりに政治資金の大半をパーティーで集めているというが、そのパーティー錬金術については、不透明さを指摘する声もある──。【全3回の第2回。第1回から読む】
オンラインパーティーで荒稼ぎ
進次郎氏のようにパーティーに資金を依存する政治家が困ったのがコロナ禍だ。外出自粛などでホテルなどの会場を借りたパーティーの開催が困難になったからだ。
そこで進次郎氏が編み出したのがオンライン形式で参加費を取った“脱法パーティー”だった。
首都圏に緊急事態宣言などが発令された2021年6月から9月にかけて、泉進会は「オンライン研修会」を4回開き、計1528万円の収入を得た。費用は約268万円で、利益は1200万円超に上った。利益率はなんと約82%。会場に人を集めなくていいため、経費はパーティーよりさらに安上がりになるからだ。
しかし、そもそも政治資金パーティーの会費は、「催事への出席の対価」という建前で、政治資金を所管する総務省は対面ではないオンラインによる開催を政治資金パーティーとは認めていない。オンライン研修会は政治団体が行なう「その他の事業」の扱いになり、同一の者からの支払いは1回150万円までという会費の上限や、20万円以上の支払いを受けた先の住所氏名を公表しなければならないという規制の対象外だ。
そのため、進次郎氏のオンライン研修会は「オンライン開催が政治資金集めの新たな抜け道に利用できてしまう」(上脇博之・神戸学院大学教授)という批判を浴びた。