異例の無投票当選
いったい何が起きているのか。発端は瀬野市長が同じ維新の地元代議士・西田薫氏(大阪6区)が会長を務める守口市スポーツ協会に市の補助金をつけたことだった。同市の市議が語る。
「スポーツ協会は市の公的機関ではなくNPO法人ですが、野球、サッカー、テニス、柔・剣道からクレー射撃まで21の競技団体、市内で活動しているほとんどの団体が加盟し、約4000人の会員がいる。協会を仕切っているのが会長である維新の西田代議士で、NPO法人の事務所も西田さんが府議時代の地元事務所に置かれていた。『西田薫杯』もあって、西田さんにとっては大切な支持基盤、選挙の集票マシンになっている」
維新の瀬野市長にとっては、同じ維新の地元代議士は“上司”的存在だろう。
議会にはわからないようにスポーツ協会に補助金をつけたのではないかと地元市議が追及する。
「百条委員会の調査で判明したのは、昨年1月のスポーツ協会の新年互礼会に出席する前、瀬野市長が担当課長に『新年互礼会に行くのでお土産を持っていきたい』と言っていて、互礼会の翌日に『補助金をつけろ』と指示を出していたこと。
職員は渋っていましたが、令和6年度の予算に計上された。個別の競技団体に出していた補助金とは別に、協会への約30万円の予算をつけた。それも社会教育関係団体補助金の名目で盛り込まれていたから、問題になるまで市議会も気づかなかった」(同前)
たかが30万円、されど政治の世界では重要なカネなのだという。
「金額の問題ではありません。西田代議士にすれば、協会に市の補助金をつけさせて、それを会長権限で各団体に分配することが重要なんです。自分の政治力を見せつけ、傘下の協議団体に恩を売る。それが票につながるんでしょう。だから市長も断われなかったのではないか」(同前)