現在は三児の母となり、昨年、8年ぶりに芸能活動に本格復帰した加藤あい
世紀をまたぐ頃、10代にして「CM女王」となった加藤あい(42)。「時代の顔」として駆け抜けた当時を「めまぐるしかった」と振り返る。
「愛知県の田舎から突然この業界に入りました。準備する時間もなく、どの現場も必死。なんでも考えすぎるタイプで、プレッシャーに押しつぶされそうでした。でも母が言ってくれた『まだ始まってもないことを考えても仕方がないでしょ』という言葉で気持ちが軽くなったんですよね。実際、どの撮影現場でもスタッフ、キャストの皆さんは優しくて、たくさん助けていただきました」
英会話塾のCMにも出演した彼女は大学卒業後、ニューヨークへ留学。結婚後はアメリカに生活の拠点を置いた時期もある。「海外の映画や音楽が好きで憧れていただけです」と笑うが、海外を経験して気づいたのは日本の魅力だった。
「丁寧で繊細で奥ゆかしい日本が誇らしくなりました。清潔で治安も良く、ご飯もおいしい。子育てもしやすい良い国です」
現在は三児の母となり、昨年、8年ぶりに芸能活動に本格復帰した。
「若い頃はすべてに全力投球。何事も自分ひとりで頑張ろうとして、人に頼るのが苦手でした。でも、子育てを通して素直に周りの力を借りられるようになり、ようやく心の余裕が出てきました。今回のグラビア撮影も、ファッション撮影とは違った楽しさがありましたし、演技の仕事も含めて、機会があれば挑戦したいです」
大人の余裕を手に入れた加藤あい。40代の彼女がどんな顔を見せるのか。目が離せない。
【プロフィール】
加藤あい(かとう・あい)/1982年12月12日生まれ、愛知県出身。1996年、中学2年生で芸能事務所に所属し、翌97年に女優デビュー。『池袋ウエストゲートパーク』、『海猿』シリーズや『ハケンの品格』など人気作に多数出演。現在は女性誌『美ST』『VERY NaVY』でモデルとして活動。
撮影/野口貴司 取材・文/安里和哲 プロデュース/Kaori Oguri
写真は「WebLEON 美しい人」(主婦と生活社より)
※週刊ポスト2025年12月19日号
