国内

同じ店では働けない「理容師」と「美容師」の違いとは?

 ヘアカット専門店で働いている人は理容師か、美容師か?

 答えは、店舗によって違う。1000円カットの草分けであるQBハウスの場合、外見上区別がつかないが、法律上の「理容所」店舗と「美容所」店舗に分かれており、それぞれ理容師、美容師が勤務する。サービス内容はどちらも同じなのだが……。

 これも規制によるもの。〈理容師は、理容所以外において、その業をしてはならない〉(理容師法第6条第2項)、〈美容師は、美容所以外の場所において、美容の業をしてはならない〉(美容師法第7条)とある。
 
 つまり、同じ営業所で、理容師と美容師が一緒に仕事をすることはできない。
 
 厚労省の説明によれば、「理容師と美容師は仕事が違う。例えば、美容師が理容店で働くと、美容師の仕事ではないひげそりを求められ、事故につながりかねない」(健康局生活衛生課)というもの。
 
 しかし、「ひげそりをやらないカット専門店なら問題ないのでは」とさらに聞くと、「やろうと思えばできてしまうということ」(同前)とだんだん論拠があやふやになる。
 
 法律上どう区別されているかというと、理容は〈頭髪の刈込、顔そり等の方法により、容姿を整えること〉(理容師法第1条第2項)、美容は〈パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすること〉(美容師法第2条)となる。
 
 意外なことに、カットは美容師の本来業務ではない。美容専門学校の授業でも、法律に則ってパーマやカラーが重視され、カットの時間はわずか。多くの美容師は卒業後に働きながらカット技術を身につけている。逆に、カットに自信のある理容師でも、美容院では働けない。
 
 理容師と美容師の区分も、資格そのものも、とっくに現実世界から乖離している。業界はもとより、利用者のためになるはずもない。

※SAPIO2010年11月24日号

関連記事

トピックス

初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン