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《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”

橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)

橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)

『潮来笠』や『いつでも夢を』などのヒット曲で知られる歌手の橋幸夫さんが9月4日に亡くなっていたことがわかった。82歳だった。夢グループが5日、「弊社所属歌手 橋幸夫(本名 橋幸男)が令和7年9月4日 午後11時48分 享年82歳にて逝去致しました」と発表した。

 橋さんは1943年5月3日、呉服屋の9人兄弟の末っ子として東京都荒川区東尾久で生まれた。戦後歌謡界を代表する作曲家・遠藤実に中学時代から師事して、高校1年生でビクターエンタテインメントのオーディションに合格。1960年、『潮来笠』でデビューした。

『いつでも夢を』や『霧氷』、『子連れ狼』など数々のヒットを飛ばし、舟木一夫、西郷輝彦とともに“御三家”と呼ばれた。昭和のスターとして人気を博したが、晩年は体調不良に悩まされ、一度は歌手を引退している。スポーツ紙記者が解説する。

「2021年10月に記者会見を開き、“声帯の衰え”を理由に、80歳の誕生日である2023年5月3日をもって歌手活動から引退することを発表しました。ラストツアーとして全国をまわると同時に、『二代目 橋幸夫を探せ!』オーディションも開催されました。

 しかし2024年4月に再び会見を開き、引退の撤回を宣言しました。ファンから活動再開を求める声が寄せられたそうで、『歌を歌うことが使命だと思った』『声が出なくなるまでやりたい』と復帰しました」

今年になって認知症の診断

 今年5月20日には、アルツハイマー型認知症の診断を受けたことが公表された。それでも本人は歌手活動の継続を強く希望した。当時、夢グループの石田重廣社長が以下のようにコメントしていた。

〈ここ最近の本人の様子をみますと、お客様に100%お楽しみいただけるステージをお届けできる状態ではないと思われたため、橋本人と今後の活動について話し合いました。

本人からは“歌手として最後までやりとげたい”と強い希望があり、私としてもその希望を何とか叶えたいという気持ちもございます〉

 しかし、橋さんを新たな病魔が襲った。地方でのコンサートを終えて自宅に帰宅した、5月31日夜のことだった。芸能関係者が明かす。

「その日は地方公演を終えて帰宅し、コンサートの荷物を運ぼうと台車に手をかけたとき、突然左手に力が入らなくなってしまったようです。異変を感じた橋さんを心配した家族が病院に連絡すると、『すぐに救急車を呼んで、病院に来てください』と言われたそうで……病院に搬送後、そのまま入院することになりました」

 当時、夢グループに問い合わせたところ、「病院では『一過性脳虚血発作』と診断されました」と緊急入院を事実と認めた。

 退院後の6月11日にステージに復帰したが、6月13日にまた入院する事態になったという。夢グループの石田社長が9月1日に開催されたイベントで、橋さんの近況を明かした。

「認知症の症状が悪化したため、6月13日からずっと入院生活を送っていることを明かしていました。会話も難しい状況だとしつつ、石田社長は、『新しい希望がある。橋さんは生きている』と前向きな思いを語っていました」

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