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「マイホームは一生で避けて通れぬ買い物」は時代遅れの考え

不動産価値が上昇し続けていた好景気の時代は今や昔。ファイナンシャルプランナーの紀平正幸氏は、持ち家にこだわることが老後に向けての安心どころかリスクになることもあることを指摘する。

住み続ければ、固定資産税などの維持費やリフォーム、建て替え費用もかかり、老後の備えを食い潰しかねないとのことなのだ。退職後もローン負担が残る人は、住居費を切り詰めてローンを早く返し終わらないと、介護費用などの支出に対応できなくなる。「今の家を“終の棲家”と考えず、リタイア後は自然の豊かな場所に住みたいとか、老人ホームで暮らしたいなどの希望があるなら、売るのは早い方がいい」(紀平氏)

また、紀平氏は、子供が独立して家を出て、部屋が余っているのなら、住まいのダウンサイジングを考えるべきだとも。持ち家を売って、今の家族構成に合った狭くて安い値段の家に買い替える、あるいは夫婦2人の生活に十分な賃貸物件に住み替えれば、それだけで老後資金に回せる流動資金が増える。

ローン返済額より高い賃料が得られるのなら、「売却」ではなく「賃貸」に出すという選択肢もある。日本のサラリーマンにとって、「マイホームは一生のうちに避けては通れない買い物」とは、時代遅れの考えと心得るべきだろう。

【持ち家売却を考える10のチェックポイント】
□退職金を半分以上費やしても住宅ローンが払い終わらない
□子供は独立している
□家の立地は駅から徒歩5分圏内である
□老後は自然環境のいいところで暮らしたい
□隣人との関係に悩んでいる
□預貯金は生活費の3か月分以下しかない
□使っていない部屋がある
□近所で大型高層マンションなどの再開発が進んでいる
□いずれは老人ホームで暮らす予定だ
□居住地域の物価が高い

(4つ以上当てはまる人は、持ち家の売却を考えてもよいだろう)

※週刊ポスト2010年12月10日号

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