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かつて日本にも交渉上手がいた 識者50人が選ぶトップ5発表

 外交失策の続く民主党政権。SAPIOでは50人の政治・外交関連問題の識者に日本史上最強のタフネゴシエーター(交渉上手)は誰か、アンケートを実施した。その1位から5位までを紹介しよう。

1位:小村寿太郎(1855~1911)

 外交官。駐韓弁理公使や駐米公使、駐露公使を歴任し、義和団の乱では講和会議全権として活躍。1901年に外相に就任、日英同盟締結を推進した。日露戦争後のポーツマス会議には日本全権として出席して、ポーツマス条約を調印。幕末からの不平等条約改正に力を注ぎ、1911年に日米通商航海条約を調印して、関税自主権を回復した。

2位:黒田官兵衛(1546~1604)

 豊臣秀吉の側近で、本能寺の変に際しては毛利方との和睦、明智光秀を討つための「中国大返し」を進言した。小田原の役では北条氏政・氏直を説得して無血開城に成功。秀吉は「常に世に怖しきものは徳川と黒田なり」と評したとされる。関ヶ原の戦いでは徳川方につき、家康から勲功第一として息子・長政が筑前国52万3000石へ加増となった。

3位:豊臣秀吉(1537~1598)

 百姓の家に生まれて今川家に仕えた後、織田信長に仕官し、頭角を現わす。冷えた草履を懐で温めた逸話は有名。本能寺の変で信長が討たれると、「中国大返し」を決行、山崎の戦いで明智光秀を破る。これにより重臣・柴田勝家を抑え、主導権を握る。さらに織田家内の勢力争いに乗じて信長の後継の地位を得て、天下統一を成し遂げた。

4位:鈴木貫太郎(1868~1948)

 太平洋戦争終結時の内閣総理大臣。海軍大学校卒業後、日露戦争では日本海海戦で大きな戦果を挙げる。連合艦隊司令長官、海軍軍令部長などを歴任し、枢密院議長などを務めた後、1945年4月に内閣総理大臣に。就任直後から本土決戦を訴える軍の強硬派を抑えつつ、昭和天皇の聖断を引き出し、ポツダム宣言を受諾して終戦を実現した。

5位:岸信介(1896~1987)

 第56・57代内閣総理大臣。戦後、自由党と民主党の保守合同を推進し、1955年に自由民主党を結成。岸内閣では日米安全保障条約・新条約の調印・批准を実現。安保改定に反対する激しい安保闘争が起きたが、「私には声なき声が聞こえる」と発言して、一時は死を覚悟するも方針を変更しなかった。条約成立を見届けてから、内閣は総辞職した。

※SAPIO2011年1月6日号


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