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魚の放射能除染調理法 刺し身より焼く、焼くより煮る

 本誌が7月上旬に行った調査で、放射性物質が検出された海産物は、100品中28品にのぼり、3割という高確率で汚染が見つかった。スーパーや魚市場に並んでいた品々に汚染が及んでいたという結果から、規制値内とはいえ、放射性物質を含む海産物が私たちの食卓に並んでいると考えざるをえない。

 そこで知っておきたいのが、魚を食べる場合の“放射能除染調理法”だ。放射線防護に詳しい立命館大学名誉教授・安斎育郎さんが教えてくれた。

「まずは念入りに洗うこと。セシウムは水溶性なので、しっかり水洗いすると50~60%は除去できるという研究結果があります」

 洗った水は必ず排水溝に流そう。

 水洗いが終わったら包丁の出番だ。

「汚染された海水が大量に出入りする魚のえらは凸凹もあり、セシウムが付着しやすい。水洗いの後はうろこを包丁で取り除き、えらのある頭は落としましょう。内臓や骨にも放射性物質はたまりやすいので除去しましょう」(安斎名誉教授)

 たとえば、チェルノブイリ事故後に行われた海洋調査では、ひらめの場合、セシウムが筋肉以外の内臓や骨に5割あった。さんまやいわしなどはその内臓を好む人もいるが、当分は敬遠すべきだ。

 元放射線総合医学研究所主任研究員の崎山比早子さんが指摘する。

「ベラルーシの地元住民は、魚を食べる際、内臓に加えて皮や頭も必ず除去しているそうです。皮や頭も口にしないほうが賢明でしょう」

 除染効果は調理法でも変わる。

「焼き魚にすることで水分が体外に出て、セシウムは10%ほど減少します。より効果的なのは、煮ることです」(安斎名誉教授)

 崎山さんも“煮魚派”だ。

「煮ることで魚の細胞膜が破れ、セシウムが水分と一緒に外に煮出されます。これにより、セシウムが70~80%除去されたという調査報告もあります。セシウムが混ざった煮汁は間違っても飲まず、捨てること」

※女性セブン2011年7月28日号

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