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夫の推理小説を先に読む妻 謎解き部分を墨で塗りつぶす悪戯

夫婦の日常も様々だが、あらゆる夫婦のエピソードが、漫談家の綾小路きみまろにメールや手紙で続々と寄せられている。今回の報告は、コンピュータメーカー勤務のご主人(50歳)。奥様(48歳)共々、推理小説のファンです。

* * *
一度に数冊購入し、読み終えると交換するんですが、女房が先に読んだ本は要注意です。登場人物に丸印をつけ、「こいつが犯人だ」と書き込むイタズラがありますけど、女房の場合は、関係のない人に丸印をつけているんです。

僕が読み終えると、女房は「犯人は丸印の女医さんだと思ってたでしょう? 残念でした!」シャクですから僕は平気な顔をして、「オレは途中まで読むと、犯人がだいたい分かるんだよ。惑わされることはなかったね」とスルー。

この態度が女房のイタズラ心をエスカレートさせたようです。少し前に、東京電力の“黒塗り報告書”が話題になりましたが、その直後、女房から渡された新刊書を読んでいて、「いよいよ、犯人の謎解き!」となってページをめくったら、「なんだこりゃ!」20ページ近くが黒いペンで塗りつぶされていたんです!

「お前、わざと本を汚すのはやめろ!」と怒ると、今度は最後の章が茶色いシミになっていて、「おい、どうしたんだ?」と聞くと、「コーヒーをこぼしちゃったのよ。わざとじゃないわよ」さらに追い打ちをかけるように「でもアナタって途中までで犯人が分かるんでしょ? 最後の章は必要ないもんね」って、必要だよ!

犯人らしいのは3人いて、絞りきれなかったんだ。知りたい! 誰だ、犯人は!

※週刊ポスト2011年11月4日号

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