国内

除染は事故後1か月で 1年後にやってもは意味ないとの指摘

 福島第一原発事故から1年が経とうとしているが、今も放射性物質の除染が行なわれている。だが、大前研一氏は、現在行われている除染に対し、疑問を抱いているようだ。以下、大前氏の解説だ。

 * * *
 復興予算が肥大化すると復興利権も肥大化する。一例は放射性物質の「除染」である。福島県では小中学校や幼稚園・保育園の校庭、園庭の表土を重機で削ったり、建物の屋根や外壁、道路などを高圧放水で洗浄したりする除染業者がはびこりだしているが、これは今後ますます増えるだろう。

 なぜなら、除染作業が「雇用」になるからだ。新潟県や長野県などの豪雪地帯では、除雪作業が冬季に仕事がない人たちの“失業対策事業”と化し、大雪が降れば降るほど好ましいという矛盾した状況になっている。福島県の除染作業も、おそらくそれと同じようになると思う。

 だが、除染作業は福島第一原発事故が起きて最初の1か月でやるべきだった。1年経ってからやっても、ほとんど意味はないのである。福島第一原発周辺以外の地域では、今までに降った雨や雪で大半の放射性物質は自然に流れているからだ。

 ただ、過去の例から見ると、流れて行った先で予想もしない場所に溜まる「ホットスポット」が必ず出てくるので、そこだけ見つけて除染すればよいのである。これなら、除染しなければならない地域は極めて限られるはずだ。このまま除染業者の団体ができて利権化してしまうと、1ミリシーべルトまでやろうとか校庭は20cmまで土壌を交換しようなどと際限なく仕事を広げていくだろう。

※SAPIO2012年3月14日号

トピックス

19歳の時に性別適合手術を受けたタレント・はるな愛(時事通信フォト)
《私たちは女じゃない》性別適合手術から35年のタレント・はるな愛、親には“相談しない”⋯初めての術例に挑む執刀医に体を託して切り拓いた人生
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
多くの外国人観光客などが渋谷のハロウィンを楽しんだ
《渋谷ハロウィン2025》「大麻の匂いがして……」土砂降り&厳戒態勢で“地下”や“クラブ”がホットスポット化、大通りは“ボヤ騒ぎ”で一時騒然
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左・共同通信)
《熊による本格的な人間領域への侵攻》「人間をナメ切っている」“アーバン熊2.0”が「住宅街は安全でエサ(人間)がいっぱい」と知ってしまったワケ 
声優高槻かなこ。舞台や歌唱、配信など多岐にわたる活躍を見せる
【独占告白】声優・高槻かなこが語る「インド人との国際結婚」の真相 SNS上での「デマ情報拡散」や見知らぬ“足跡”に恐怖
NEWSポストセブン
人気キャラが出現するなど盛り上がりを見せたが、消防車が出動の場面も
渋谷のクラブで「いつでも女の子に(クスリ)混ぜますよ」と…警察の本気警備に“センター街離れ”で路上からクラブへ《渋谷ハロウィン2025ルポ》
NEWSポストセブン
クマによる被害
「走って逃げたら追い越され、正面から顔を…」「頭の肉が裂け頭蓋骨が見えた」北秋田市でクマに襲われた男性(68)が明かした被害の一部始終《考え方を変えないと被害は増える》
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン
「原点回帰」しつつある中川安奈・フリーアナ(本人のInstagramより)
《腰を突き出すトレーニング動画も…》中川安奈アナ、原点回帰の“けしからんインスタ投稿”で復活気配、NHK退社後の活躍のカギを握る“ラテン系のオープンなノリ”
NEWSポストセブン
真美子さんが完走した「母としてのシーズン」
《真美子さんの献身》「愛車で大谷翔平を送迎」奥様会でもお酒を断り…愛娘の子育てと夫のサポートを完遂した「母としての配慮」
NEWSポストセブン