ビジネス

「日本経済の浮き沈みは日経平均9500円が1つの指標」と専門家

 最新著書『相場の波動はシンプルに読め!』(小学館刊)が目下、ベストセラーになっている国際金融コンサルタント・菅下清廣氏。今年2月からの日経平均株価の高騰をピタリと予測していたことで今、大注目のアナリストだ。その菅下氏が『メルマガNEWSポストセブン』に特別寄稿し、日銀の金融政策と株価の関係について持論を語っている。その一部を紹介しよう。

 * * *
 2月から急騰し始めて3月27日に高値1万255円をつけた日経平均株価ですが、4月上旬現在は一旦、調整局面に入っています。再び1万円を切って9000円台後半で推移しています。

 今後の展開をわける重要なポイントになるのが4月中旬に予定されている日銀の金融政策決定会合です。国内外の投資家は「日銀がどれだけデフレ脱却に真剣なのか」ということを注視しています。「脱デフレが強力に押し出されるかどうか」が重要になるわけです。

 しかしながら、私が独自に世界のマネタリーベースやその他経済状況を分析した結果、次の会合で日銀が大胆な金融緩和策を取る可能性は低いと見ています。一時的に投資家の落胆を誘うはずです。

 では、日銀が消極的な緩和策を取った場合に日本経済がどうなるか。楽観、悲観の2つのシナリオで未来予測を立ててみます。

 まず、楽観シナリオから。4月中旬の日銀の発表まで、現時点の日経平均株価9800~9700円ぐらいで揉み合うでしょう。長期のトレンドで見た場合、9700円はチャート分析上、「3分の1押し」に当たりますから、買いを入れるチャンスです。サイクル理論にもとづく私のチャート分析法は最新著『相場の波動はシンプルに読め!』に詳しいので、そちらを参考にしてもらいたいのですが、簡単にいうと株価の上げ幅の3分の1くらい下げると、機関投資家が大規模な押し目買いを入れ、また上昇する動きのことです。最も安全策を取るとしても、「半値押し」の9500円を切ることはないと見ています。

 一方の悲観シナリオですが、日経平均株価が9500円を切っていくようでしたら、現在の上昇トレンドに危険信号が点ったと見ていいでしょう。今年1月までの「デフレ、株安、円高」の三重苦トレンドに戻ってしまうというシナリオです。9500円を切るようだったら、そのまま再び8000円台に落ちていく可能性もあります。

 とはいえ、国際情勢や政局を加味し、総合的に判断すると、私は楽観シナリオで推移すると見ています。9500円を1つの指標にしながら、割り込むようなら手を出さず、逆に9700円以上ならば「長期トレンドで見ると買いのチャンス」と捉えてみるといいかもしれませんね。

※メルマガNEWSポストセブン10号

関連記事

トピックス

出世街道を突き進む二所ノ関親方
《相撲協会、理事選のゆくえ》大の里の横綱昇進後初Vで注目が集まる二所ノ関親方の出世街道、飛び級で抜擢の可能性も ライバルだった元横綱・白鵬が退職したのも追い風
週刊ポスト
小川晶市長“ホテル通い詰め”騒動はどう決着をつけるのか(左/時事通信フォト)
《前橋・小川市長 は“生粋のお祭り女”》激しい暴れ獅子にアツくなり、だんベぇ踊りで鳴子を打ち…ラブホ通い騒動で市の一大行事「前橋まつり」を無念の欠席か《市民に広がる動揺》
NEWSポストセブン
歴史ある慶應ボート部が無期限で活動休止になったことがわかった(右・Instagramより)
《慶應体育会ボート部が無期限活動休止に》部員に浮上した性行為盗撮疑惑、ヘッドフォン盗難、居酒屋で泥酔大暴れも… ボート部関係者は「風紀は乱れに乱れていた」と証言
NEWSポストセブン
元大関・貴景勝
断髪式で注目の元大関・貴景勝 「湊川部屋」新設に向けて“3つの属性の弟子”が混在する複雑事情 稽古場付きの自宅の隣になぜか伊勢ヶ濱部屋の住居が引っ越してくる奇妙な状況も
NEWSポストセブン
京都を訪問された天皇皇后両陛下(2025年10月4日、撮影/JMPA)
《一枚で雰囲気がガラリ》「目を奪われる」皇后雅子さまの花柄スカーフが話題に 植物園にぴったりの装い
NEWSポストセブン
本誌直撃に“対立候補レンタル”を否定していた田中甲・市長(左)
《音声入手スクープ》市川市の田中甲・市長、市長選で“ダミー対立候補レンタル”の証拠音声 「もう一人立てましょう」「それ込みで2000万円渡した」
週刊ポスト
セツの母親・フミ役を演じる池脇千鶴(写真/AFLO)
「生活者のリアリティを伝える圧倒的な存在感」池脇千鶴、朝ドラ『ばけばけ』で見せた“厚みのある演技”を支えた“手”
週刊ポスト
香川県を訪問された秋篠宮妃紀子さまと次女・佳子さま(2025年10月3日、撮影/JMPA)
《母娘の秋色コーデ》佳子さまはベージュ、紀子さまはホワイトのセットアップ アクセサリーはパールで共通もデザインで“違い”を見せられた
NEWSポストセブン
イベントの“ドタキャン”が続いている米倉涼子
《女優・米倉涼子に異変》体調不良でイベント“ドタキャン”が相次ぎ…8月からインスタの更新はストップ「お答えいたしかねます」回答
NEWSポストセブン
永野芽郁に業界からラブコール
《金髪写真集をフィリピンで撮影済み》永野芽郁、すでに民放キー局から「連ドラ出演打診」も…今も業界から評価される「プロ意識」
NEWSポストセブン
“ラブホテル通い”を認めた小川晶・前橋市長
《前橋市長が利用した露天風呂付きラブホ》ベッド脇にローテーブルとソファ、座ると腰と腰が密着…「どこにどのように着席して相談したのか」疑問視される“部屋の構造”
週刊ポスト
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
「家に帰るのが幸せ」大谷翔平がリフレッシュする真美子さんとの“休日”「スーパーにお買い物に行ったり…」最近は警備強化で変化する「デコピンの散歩事情」
NEWSポストセブン