国内

石原知事の尖閣購入計画「所有者との内々の話はすでに終了」

 石原慎太郎都知事が打ち出した東京都による尖閣諸島購入は、多くの支持を受け、寄付金も6月にはすでに10億円を突破した。石原知事は国が動かないから都が動くと尖閣諸島購入の真意を語っているが、いま、購入計画はどこまで進んでいるのか、知事に聞いた。

――以前から、尖閣諸島の保全について憂慮されていましたね。

石原:私と尖閣諸島との関わりはかなり長い。自民党の議員時代、前の所有者の方に、青嵐会を代表してお会いしたことがあります。何とか購入できないか、という相談のためです。しかし、その時はすでに遅く、別の個人に売却されていました。

 次の所有者の方は、戦前、戦闘機増産を目的とした工場拡張のために多くの土地を没収されたり、数回にわたる区画整理で土地を削られたりするなど、国からひどい目に遭わされてきました。当時の交渉窓口は、購入者の未亡人だったのですが、「国は信用できない。政治家とは一切会わない」と門前払いでした。たまたま、未亡人の親友の女性が、私の母とも親交があり、その奇縁でようやくお話をすることができたんです。

 ただしこちらの思いを伝えるだけでした。それから時が流れ、代替わりされた後に、現在の当主が「母が生前、石原さんとなら話をしてもいい、と話していた」ということで、今回の運びになりました。参議院議員の山東昭子さんが現当主と親しく、彼女を通じて話が来ました。では東京都で是非、ということになりました。

――尖閣諸島の魚釣島の灯台も、石原知事が建てたものと聞きました。

石原:最初は地主の許可を得て、知り合いの学生たちに作らせました。裸電球に傘が付いているだけの貧弱なものでしたけどね。今ある灯台は、私たちの志に呼応した、日本青年社が建ててくれたものです。(旧運輸省の)水路部に見てもらって、正式な灯台に足りないものがないかアドバイスをもらい、正式な灯台として海図に登録するところまで行きました。

 ところが、外務省が「時期尚早」だと言う。何の時期ですか。完成した灯台を海図に載せないことは、付近の航行船の危険に繋がります。外務省は、ただシナに阿ったのです。あの国の顔色を見て、愚かな決断をしたのです。息子の伸晃(現自民党幹事長)が国交相になった時に、ようやく海図に載せさせましたけどね。

 現在、所有者と内々の話し合いは済ませています。ただ、国との賃借契約が、来年3月末まで残っていますから、それが終わるまでは購入ということにはなりません。それを待って、ということになりますが。

※SAPIO2012年6月27日号

関連キーワード

トピックス

シーズンオフを家族で過ごしている大谷翔平(左・時事通信フォト)
《お揃いのグラサンコーデ》大谷翔平と真美子さんがハワイで“ペアルックファミリーデート”、目撃者がSNS投稿「コーヒーを買ってたら…」
NEWSポストセブン
愛子さまのドレスアップ姿が話題に(共同通信社)
《天皇家のクリスマスコーデ》愛子さまがバレエ鑑賞で“圧巻のドレスアップ姿”披露、赤色のリンクコーデに表れた「ご家族のあたたかな絆」
NEWSポストセブン
1年時に8区の区間新記録を叩き出した大塚正美選手は、翌年は“花の2区”を走ると予想されていたが……(写真は1983年第59回大会で2区を走った大塚選手)
箱根駅伝で古豪・日体大を支えた名ランナー「大塚正美伝説」〈3〉元祖“山の大魔神”の記録に挑む5区への出走は「自ら志願した」
週刊ポスト
12月中旬にSNSで拡散された、秋篠宮さまのお姿を捉えた動画が波紋を広げている(時事通信フォト)
〈タバコに似ているとの声〉宮内庁が加湿器と回答したのに…秋篠宮さま“車内モクモク”騒動に相次ぐ指摘 ご一家で「体調不良」続いて“厳重な対策”か
硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将(写真/AFLO)
《戦後80年特別企画》軍事・歴史のプロ16人が評価した旧日本軍「最高の軍人」ランキング 1位に選出されたのは硫黄島守備隊指揮官の栗林忠道・陸軍大将
週刊ポスト
米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
地雷系メイクの小原容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「家もなく待機所で寝泊まり」「かけ持ちで朝から晩まで…」赤ちゃんの遺体を冷蔵庫に遺棄、“地雷系メイクの嬢”だった小原麗容疑者の素顔
NEWSポストセブン
平沼翔太外野手、森咲智美(時事通信フォト/Instagramより)
《プロ野球選手の夫が突然在阪球団に移籍》沈黙する妻で元グラドル・森咲智美の意外な反応「そんなに急に…」
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《累計閲覧数は12億回超え》国民の注目の的となっている宮内庁インスタグラム 「いいね」ランキング上位には天皇ご一家の「タケノコ掘り」「海水浴」 
女性セブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン