国内

渡邉美樹ワタミ会長「増税の民主党は無能な経営者のお手本」

 民主、自民、公明3党が増税路線に突っ走ろうとしているが、「消費増税で国を再生しようとは無能経営のお手本だ」というのは渡邉美樹・ワタミ会長だ。

 * * *
 いま消費増税をやるべきではないという結論だけを取れば、小沢氏らと同じ意見といえますが、私の目には、政局的な観点から反対を唱えている政治家が多いと映っています。

 現在の日本は、企業でいえば経営破綻寸前です。傾いた経営を立て直すため、まともな経営者であれば3つのことを考えます。

 第1に支出カットです。役員の給与や定数を減らし、さらにすべての経費を見直す。国に照らせば、議員歳費と定数の削減、公務員の人件費を含めた支出の総見直しです。民主党政権はこれをほとんど実行せず、逆のことをやっています。

 消費税を10%に上げると12兆円の税収を見込めるといいますが、これでは、民主党政権で歳出が増えた分が帳消しになる程度です。

 第2の策は収入アップです。収入を増やすためには売上を上げなければいけません。政府は消費増税で歳入を増やすというが、会社の売上に当たるGDP(国内総生産)そのものを増やしていかなければ、税率を上げても税収は増えないことは基本中の基本です。

 いまの民主党政権は、会社でいえば原価率を下げて、粗利益だけを上げようとしているようなものです。これは無能な経営者がやりがちなことですが、原価率を下げて商品の魅力を落とせば、結果的にお客さんは逃げていって利益は下がる。増税で景気が悪化するのも同じで、なぜそんな単純なことがわからないのか。

 第3にコストカット、売上アップの先にある会社(国)のグランドデザインを示すことです。お客さん(国民)や社員が幸せになれるという将来像がなければ改革は実を結ばない。

 私はスウェーデンのような高福祉・高負担国家こそ、国民を幸せにすると考えます。「働かずに生活保障をもらおう」という考え方が多ければ成り立たず、高い勤労意欲とモラル、国に対する絶対的な信頼が必要です。スウェーデンでは小学校1年から中学3年まで徹底して「働くことは尊い」と教育されているように、国全体でグランドデザインを共有することが肝心です。

 正直、いまの日本がどういう道を目指しているのかよくわからない。“安心な国民生活をどう確保するか”といった戦略や全体像を政府が提示しないため、国民は不安ばかりが募り、1500兆円の個人金融資産を握って離さない状況です。だから景気がいつまで経っても好転しないのです。

※週刊ポスト2012年6月29日号

トピックス

永野芽郁
《不倫騒動の田中圭はベガスでポーカー三昧も…》永野芽郁が過ごす4億円マンションでの“おとなしい暮らし”と、知人が吐露した最近の様子「自分を見失っていたのかも」
NEWSポストセブン
中居正広
中居正広FC「中居ヅラ」の返金対応に「予想以上に丁寧」と驚いたファンが嘆いた「それでも残念だったこと」《年会費1200円、破格の設定》
NEWSポストセブン
協会との関係は続く?(時事通信フォト)
《協会とケンカ別れするわけにはいかない》退職した白鵬が名古屋場所で快進撃の元弟子・草野に連日ボイスメッセージを送ったワケ
週刊ポスト
「木下MAOクラブ」で体験レッスンで指導した浅田
村上佳菜子との確執報道はどこ吹く風…浅田真央がMAOリンクで見せた「満面の笑み」と「指導者としての手応え」 体験レッスンは子どもからも保護者からも大好評
NEWSポストセブン
石破首相と妻・佳子夫人(EPA=時事)
石破首相夫人の外交ファッションが“女子大生ワンピ”からアップデート 専門家は「華やかさ以前に“上品さ”と“TPOに合わせた格式”が必要」【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
中村芝翫の実家で、「別れた」はずのAさんの「誕生日会」が今年も開催された
「夜更けまで嬌声が…」中村芝翫、「別れた」愛人Aさんと“実家で誕生日パーティー”を開催…三田寛子をハラハラさせる「またくっついた疑惑」の実情
NEWSポストセブン
ノックでも観客を沸かせた長嶋茂雄氏(写真/AFLO)
《巨人V9の真実》王貞治氏、広岡達朗氏、堀内恒夫氏ら元同僚が証言する“長嶋茂雄の勇姿”「チームの叱られ役だった」
週刊ポスト
現場となったマンホール
【埼玉マンホール転落事故】「どこに怒りを…」遺族の涙 八潮陥没事故を受けて国が自治体に緊急調査を要請、その点検作業中に発生 防護マスク・安全帯は使用せず
女性セブン
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《秘話》遠野なぎこさんの自宅に届いていた「たくさんのファンレター」元所属事務所の関係者はその光景に胸を痛め…45年の生涯を貫いた“信念”
週刊ポスト
政府備蓄米で作ったおにぎりを試食する江藤拓農林水産相(時事通信フォト)
《進次郎氏のほうが不評だった》江藤前農水相の地元で自民大敗の“本当の元凶”「小泉進次郎さんに比べたら、江藤さんの『コメ買ったことない』失言なんてかわいいもん」
週刊ポスト
川崎、阿部、浅井、小林
女子ゴルフ「トリプルボギー不倫」に重大新局面 浅井咲希がレギュラーツアーに今季初出場で懸念される“ニアミス” 前年優勝者・川崎春花の出場判断にも注目集まる
NEWSポストセブン
6年ぶりに須崎御用邸を訪問された天皇ご一家(2025年8月、静岡県・下田市。撮影/JMPA)
天皇皇后両陛下と愛子さま、爽やかコーデの23年 6年ぶりの須崎御用邸はブルー&ホワイトの装い ご静養先の駅でのお姿から愛子さまのご成長をたどる 
女性セブン