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桑名正博 亡父から継いだ会社が倒産し軽井沢で穏やかな生活

 病室のベッドに眠ったように横たわる桑名正博(58才)の手を握り、妻と妹・晴子(56才)は休むことなく声をかけ続けていた──。

 7月15日早朝、大阪市内のマンションで脳幹出血のため倒れた桑名は、すでに自発呼吸はなく、家族は最悪の事態を覚悟し、延命治療を拒否したという。

 かつて、ロック界の貴公子と称されたこともある桑名だが、その半生は波瀾の連続だった。1971年、ロックバンド「ファニー・カンパニー」のボーカルとしてデビューした桑名。しかし、ヒット曲に恵まれぬまま3年後には解散してしまう。その後、ソロとして活動するも、1977年にはコカインの所持で逮捕される。

「ヒット曲がなくトラブルの絶えなかった桑名さんが、その後もライブを開いたり、レコードを出し続けてこられたのは、彼のお父さん(享年71)が資金面で援助してきたからでした」(音楽関係者)

 桑名の実家は、江戸時代から大阪港で回船問屋を営んでいた旧家で、桑名は7代目。父は貸倉庫業やゴルフ場経営などを手がける資産家だった。しかし、そんな家柄に桑名は反発し、高校を中退。それでも父は決して息子を見放すことなく、事務所にかけあい、金銭的にもバックアップしてきた。

 その後『セクシャルバイオレットNo.1』のヒットを出し、ロックスターの座に駆け上がった桑名だが、2000年に転機が訪れる。父の死が桑名に運命を悟らせることになったのだ。

「父への恩返しにと、大阪に帰って会社を継いだのですが、すでにその時、バブル崩壊のあおりを受けていて、経営は火の車だったんです。桑名さんは音楽活動も最小限に抑えてがんばったのですが、700坪はあった父の大豪邸を売り払っても立て直せませんでした」(桑名の知人)

 そうして、家も会社も失った桑名。「静かな生活がしたい」と、2006年に生まれ育った大阪を出て、長野・軽井沢での生活をスタートさせていた。穏やかな日々のなか、桑名は気がつくと、ギターを握っていた。

 2010年、そんな父の姿を見た息子の美勇士(31才)は、母のアン・ルイスに、「親子3人でステージに立ちたい」と提案。アンも息子の願いに「タイミングが合えば」と答えていたという。

※女性セブン2012年8月2日号

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