国内

西成区長の妻 ジャン横で串カツ食べ「ええところや!」と納得

 橋下徹・大阪市長による公募区長のひとり臣永正廣・西成区長。生活保護受給率や高齢化率が市内最高であり、全国最大の日雇い労働者の街・あいりん地区を抱える。「大阪市の問題児」といわれる同区をいかに改革するのか。元フリーライターで、徳島県町長も経験しているというユニークな経歴の区長に、西成区の希望について聞いた。(聞き手=ノンフィクション・ライター神田憲行)

  * * *
--西成区の希望、ポテンシャルはどんなところにあると感じていますか。

臣永 物価が安くて食い物がうまい。うちのヨメはんなんか、ジャンジャン横丁で串カツ食べさせたら「ええところや!」って、一発でした(笑)。通りの一本向こうには閑静な住宅街が広がってて、実は住みやすい街じゃないかなと思っています。

--人情の街とも言われていますね。

臣永 そうそう。これは中田顧問(元横浜市長)が言ってましたけれど、西成で道に迷って道端で立っていたら、おっちゃんが寄ってきて「どこいくの?」と教えてくれたそうです。行政に関しても、良くも悪くも、区役所と住民の距離がものすごく近い。

 ただし、橋下改革はまず「なあなあの関係」をいったん精算するところから始めているから、今は現場への反発が凄い。私なんか毎日サンドバッグ状態ですわ(笑)。でも一方で、気持ちが通じ合えば協力してもらえるという感触もある。 

 みんな「大阪西成」って聞くと、特殊な街だと思っているでしょ? 私は「西成の問題は日本の近未来の問題や」と言うてるんです。

--というと?

臣永 地方都市の過疎化・高齢化は言われていますが、いま起きているのは都市の過疎化・高齢化なんです。東京の木造アパートにひとり暮らししているおじいさんがどれだけ多いことか。必ず近い将来の日本に降りかかるそういう人たちの生活問題が、いま西成で起きている。

 ということは、西成で問題の処方箋を探せば、ほかの地域でも役に立つんですよ。大げさやと笑うひともいるかもしれんけど、俺はそう信じてる。

※臣永正廣(とみなが・まさひろ)プロフィール
1954(昭和29)年、徳島県生まれ。大阪市西成区区長。フリーライター、徳島県那賀川町長などを経験したのち現職。

関連キーワード

関連記事

トピックス

米倉涼子の“バタバタ”が年を越しそうだ
《米倉涼子の自宅マンションにメディア集結の“真相”》恋人ダンサーの教室には「取材お断り」の張り紙が…捜査関係者は「年が明けてもバタバタ」との見立て
NEWSポストセブン
地雷系メイクの小原容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「家もなく待機所で寝泊まり」「かけ持ちで朝から晩まで…」赤ちゃんの遺体を冷蔵庫に遺棄、“地雷系メイクの嬢”だった小原麗容疑者の素顔
NEWSポストセブン
渡邊渚さん
(撮影/松田忠雄)
「スカートが短いから痴漢してOKなんておかしい」 渡邊渚さんが「加害者が守られがちな痴漢事件」について思うこと
NEWSポストセブン
平沼翔太外野手、森咲智美(時事通信フォト/Instagramより)
《プロ野球選手の夫が突然在阪球団に移籍》沈黙する妻で元グラドル・森咲智美の意外な反応「そんなに急に…」
NEWSポストセブン
死体遺棄・損壊の容疑がかかっている小原麗容疑者(店舗ホームページより。現在は削除済み)
「人形かと思ったら赤ちゃんだった」地雷系メイクの“嬢” 小原麗容疑者が乳児遺体を切断し冷凍庫へ…6か月以上も犯行がバレなかったわけ 《錦糸町・乳児遺棄事件》
NEWSポストセブン
11月27日、映画『ペリリュー 楽園のゲルニカ』を鑑賞した愛子さま(時事通信フォト)
愛子さま「公務で使った年季が入ったバッグ」は雅子さまの“おさがり”か これまでも母娘でアクセサリーや小物を共有
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)は被害者夫の高羽悟さんに思いを寄せていたとみられる(左:共同通信)
【名古屋主婦殺害】被害者の夫は「安福容疑者の親友」に想いを寄せていた…親友が語った胸中「どうしてこんなことになったのって」
NEWSポストセブン
高市早苗・首相はどんな“野望”を抱き、何をやろうとしているのか(時事通信フォト)
《高市首相は2026年に何をやるつもりなのか?》「スパイ防止法」「国旗毀損罪」「日本版CIA創設法案」…予想されるタカ派法案の提出、狙うは保守勢力による政権基盤強化か
週刊ポスト
62歳の誕生日を迎えられた皇后雅子さま(2025年12月3日、写真/宮内庁提供)
《累計閲覧数は12億回超え》国民の注目の的となっている宮内庁インスタグラム 「いいね」ランキング上位には天皇ご一家の「タケノコ掘り」「海水浴」 
女性セブン
米女優のミラーナ・ヴァイントルーブ(38)
《倫理性を問う声》「額が高いほど色気が増します」LA大規模山火事への50万ドル寄付を集めた米・女優(38)、“セクシー写真”と引き換えに…手法に賛否集まる
NEWSポストセブン
ネックレスを着けた大谷がハワイの不動産関係者の投稿に(共同通信)
《ハワイでネックレスを合わせて》大谷翔平の“垢抜け”は「真美子さんとの出会い」以降に…オフシーズンに目撃された「さりげないオシャレ」
NEWSポストセブン
中居正広氏の近況は(時事通信フォト)
《再スタート準備》中居正広氏が進める「違約金返済」、今も売却せず所有し続ける「亡き父にプレゼントしたマンション」…長兄は直撃に言葉少な
NEWSポストセブン