国内

名門私立中いじめ問題 被害者女子の父親「そっとしておいて」

 8月に大きく報じられた名門私立中学校で起こったいじめ事件。その被害者となった女子生徒・A子さんの父親に事件について尋ねると、

「娘は元気にしています。もう終わったことですから、そっとしておいてください。学校は素晴らしい対応でした…」

 5月下旬、女子3人、男子2人のいじめっ子グループが、同級生の女子生徒A子さんを追い回し、校内の女子トイレの個室に追い込んだうえ、卑劣な行為に及んだ。

 実行犯の男子生徒2人は退学、3人の女子生徒と被害者であるA子さんは3日間の停学となった。被害者であるはずのA子さんの父親が、このように言わざるを得ないのはなぜなのか。

 その背景には“保護者同士の軋轢”という問題と“子供の将来”という2つの要因が隠されていると、教育評論家・小宮山博仁氏は指摘する。

 名門校の多くは、幼稚園や小学校といった、下のカテゴリーの学校を持つ。そうした下のカテゴリーの学校から子供を通わせている保護者たちの多くは社会的な地位を確立した人たちで、“自分たちを特別だ”と思う節があるという。

「中学校や高校から入ってきた生徒の保護者には一般のサラリーマンなども多いです。そういった保護者との経済格差もいじめを生む要因のひとつとなります。

 たとえば、下のカテゴリーからの持ち上がり組の保護者は問題が起こっても、“この学校に合わないあちらが悪い”と責任をなすりつけようとする傾向があるんです。もう一方の保護者たちは、“ああいう人たちとは、これ以上かかわりたくない”という思いでぐっと我慢するという構図です」(小宮山氏)

 そして、A子さんの父親がもっとも危惧しているのが、娘の将来だろう。

「せっかく名門校に入ったのに、わざわざ転校させたいと願う親は少ないはず。それは将来、難関大に進学できるという大きなメリットがあるからです。学校の考えに逆らって事を荒立てたりしないで、自分たちが我慢することで子供の明るい将来が約束されているのなら、そちらを選ぶ親も多いはずです。

 そして、一度、その名門校に残る選択をしたのであれば、子供はいじめっ子とこれからも学校生活を送らなければならないわけですから、親としては余計なことは何も言わないほうがいいと判断するのが普通でしょう。しかし、学校との連絡を密にしていじめが二度と起きないように要望し、通学を続けるほうがいいと思います」(前出・小宮山氏)

※女性セブン2012年9月20日号

関連キーワード

トピックス

三浦瑠麗(本人のインスタグラムより)
《清志被告と離婚》三浦瑠麗氏、夫が抱いていた「複雑な感情」なぜこのタイミングでの“夫婦卒業”なのか 
NEWSポストセブン
オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン