選挙で政権が交代しても一向に変わらない日本の政治。いまや真剣に落とすことを考えるべきではないか。そこで領土問題について落選させるべき政治家を本誌・週刊ポストが選んだ。
【前原誠司氏】
菅直人内閣当時に発生した尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件の際、海上保安庁を所管する国土交通大臣だった前原氏は公務執行妨害容疑で逮捕された中国人船長を「日本の国内法に基づき粛々と対応する。それに尽きる」と早期釈放には応じない強気の姿勢をとった。
ところが、直後の内閣改造で外務大臣に就任し、中国側が日本の会社員を拘束するなど報復措置に出ると、時の仙谷由人官房長官と足並みを合わせて、那覇地検の「処分保留で釈放」という決定を容認した。外務大臣でありながら、重要な外交問題に政治家の責任で対応を決めるのではなく、「検察の判断」で誤魔化したのは責任放棄に等しい。
国交相時代は八ッ場ダム廃止方針を打ち出しながら途中で放り出したが、こと外交ではそうした無責任な政治姿勢は間違いなく国益を損じる。ましてや「安保の論客」を標榜し、学生時代から外務大臣になりたくて政治家を志したという人物がこれである。
※週刊ポスト2012年9月21・28日号