乾燥注意報が連日、発表される季節になった。ちょうど一年前は、東京で連続35日間(2010年12月16日から2012年1月19日)も続けて注意報が発表され、観測史上3位の長さだと話題になった。
1981年から2010年まで東京で乾燥注意報が発表された日数を月ごとに平均すると、もっとも多いのは1月の20日間、次が2月の17日間で、3番目には12月の14日間が続く。(気象庁調べ)
もともと、火災など災害への注意喚起のために発表されている乾燥注意報だが、この注意報を耳にすると、冬の寒さとともに厳しさを増す“乾燥&敏感肌”の不調に思いをめぐらす人も多いのではないだろうか。
冬になると悩まされやすい肌の不調について、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医で銀座ケイスキンクリニック院長の慶田朋子さんに、解説してもらった。
「肌がヒリヒリしたり、カユくなったり……。いわゆる乾燥は、肌表面の“角層”でおこります。角層は細胞が何層にも重なっていて、そのすきまを“セラミド”が埋めています。セラミドとは、肌の潤いに欠かせない肌の必須成分。水分を抱え込んで細胞どうしをつなぐ役割をしています。セラミドがギュッと詰まっていれば、肌のバリア機能が高まり、外部刺激からガードしてくれるわけです。
湿度の低下や洗いすぎなどで角層の表面を覆う皮脂が奪われると、セラミドも流れてしまいます。すると、角層がスカスカ状態になって、雑菌などの些細な外部刺激にも敏感になり、ヒリヒリしたり、カユくなったりするんです」
セラミドが不足すると、肌を外部刺激から守る力、「バリア機能」も低下するようだ。自分の肌の不調は、“セラミド”不足なのだろうか? 判断をつけづらい人のために、次にチェックリストを紹介しよう。1個でも当てはまる人は要注意だ。
【バリア機能低下肌 チェックリスト】
■肌荒れやかさつきトラブルをくりかえす
■化粧水などをつけるとヒリヒリする
■衣類が肌に触れるのも気になる
■どんな化粧品を使っても合わない
■唇がかさつき、リップが手放せない
■夕方になると、目のまわりにちりめんじわができる
■腕や脛にカサカサした粉が浮く
■冬は肌荒れ、カサつきトラブルをくりかえしやすい
チェックの結果、あなたの肌の“セラミド”は足りていただろうか。“セラミド”不足だとわかった場合、どのように対処すればよいのか。
「失われたセラミドは、クリームなどによる保湿スキンケアで補ってあげればいいんです。また、もともとあるセラミドを減らさないのが一番なので、普段からクリームなどをたっぷり塗り、水分を逃がさないようにしておきましょう」(慶田さん)
セラミドが配合されているクリームとしては、敏感肌用化粧品の代表ブランド“キュレル”のなかでもセラミド機能成分配合濃度がもっとも高い「キュレル クリーム」(90グラム 1575円 花王)や、皮膚科医が推奨する「ノブⅢモイスチュアクリーム」(45グラム 4725円 常磐薬品工業)、肌へ浸透しやすい「ヒフミドクリーム」(40グラム 6300円 小林製薬)などがある。
スカスカになりがちな冬の肌を、“セラミド”配合クリームで補って、肌荒れトラブルのおきにくい、うるおいたっぷりなツヤ肌へ導こう。