ライフ

街中をジャグラーが占拠 東京ガス企業CMにまつわるトリビア

 大人しい三毛猫がテーブルに居座ってボールの行方を追う中、ダイニングでジャグリングをしている男の子とお母さん、そのボールが窓から飛び出すと、下で待ち受けていたかわいい女子高生がキャッチしてジャグリングを続けて、そのままバス停へ――一緒に並んでいる人も、乗り込んだバスの中でも、みんなみんなジャグリングをしている。歩行者用信号機の “青の中の人”まで……。

 一体なんの話かというと、東京ガスがYouTubeに公開した、企業CMのオープニングだ。その先の映像も柔らかなジャズが流れる中、画面の中でたくさんのシーンに登場する多くの人にジャグリングされている、赤・青・黄色のボールが行き交う。

 この動画90秒あるのだが、その半分の45秒まで、何の説明もない。普段TVで目にする15秒や30秒のCMで、いろいろな情報を詰め込んだものを見慣れているせいか、企業CMだと思えば思うほど、“何? これ何なんだろう?”という気分になってしまう。ナレーションが入っても、「ネットワークという言葉は、助け合うという意味かもしれない。」といったキャッチコピーなど、シンプルで優しい言葉が詰め込みすぎずに語られ、ゆったり感が漂うのだ。

 今回の映像では、赤いボールが熱、黄色いボールが電気、青いボールがICT(情報通信技術)を表し、熱や電気をICTを使ってネットワーク化し、エネルギーを効率よく利用するシステム「スマートエネルギーネットワーク」の概念をジャグリングを使って表現しているという。

 それにしてもジョギング中の学生に、散歩中の犬を含め、オフィスにいる人やお店で買い物する人など、街中の人がジャグリングしているわけで、どれくらいの人が出演しているのか? など、東京ガスの広告担当者に制作関連秘話を聞いてみた。

「出演者は約130人ですね。撮影は去年の12月中旬から下旬にかけて4日間、都内13か所でロケを行ないました。冬場で日照時間が短い中、多くの場所でロケをする必要があったため、撮影現場は大変でした。

 余談ですが、最初の方から登場する女子高生は『天才てれびくんMAX』でサーカス部にいる、鍋本帆乃香ちゃんなんですよ」

 あぁ。“どこかで見たことがあるなぁ”と思っていた、あのかわいい女子高生は鍋本帆乃香ちゃんだったのか。また担当者は、撮影の様子を以下のように語った。

「朝早くから夜遅くまで、天候が厳しい日もあって過酷な条件だったのですが、参加されたプロジャグラーの方たちが、常に笑顔でパフォーマンスしてくれただけでなく、カメラが回ってない時にも、他の参加者のみなさんに技を披露して盛り上げてくださるなど、大変な中でも明るく活気のある現場でしたね」

 映像を見ていると、確かにみんな楽しそうだ。しかしプロのジャグラー以外の参加者がいたということは、もちろんアマの人もいただろうし……でも全員がジャグラーというのは、考えにくい。どれくらいがリアル・ジャグリングで、どの辺りからCGなんだろうか? といったことを質問したら、それまで滑らかに回答してくれていた担当者の方が「CGを使っていることは事実なのですが、詳細についてはご想像にお任せします……」と急に口ごもってしまった。どうやら、この部分は極秘事項のようだ。

 しかし“鍋本帆乃香ちゃんがジャグリングできるのは間違いないし、130人ならジャグリングできる人を集められそう……というのが、また微妙なラインだなぁ。この犬が、赤いボールをパクッとするのが、実はエサをCGで変えているのか? いやいや。これはリアルにできるだろうし……。あー。このさわやかイケメン・サラリーマンは、リアルにやってるのか? CGなのか?”などと真相が気になってしまい、つい何度も観直してしまうのだった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

直面する新たな課題に宮内庁はどう対応するのか(写真/共同通信社)
《応募条件に「愛子さまが好きな方」》秋篠宮一家を批判する「皇室動画編集バイト」が求人サイトに多数掲載 直面する新しい課題に、宮内庁に求められる早急な対応
週刊ポスト
ポストシーズンに臨んでいる大谷翔平(写真/アフロ)
大谷翔平、ポストシーズンで自宅の“警戒レベル”が上昇中 有名選手の留守宅が狙われる強盗事件が続出 遠征時には警備員を増員、パトカーが出動するなど地元警察と連携 
女性セブン
「週刊文春」の報道により小泉進次郎(時事通信フォト)
《小泉進次郎にステマ疑惑、勝手に離党騒動…》「出馬を取りやめたほうがいい」永田町から噴出する“進次郎おろし”と、小泉陣営の“ズレた問題意識”「そもそも緩い党員制度に問題ある」
NEWSポストセブン
懲役5年が言い渡されたハッシー
《人気棋士ハッシーに懲役5年判決》何度も「殺してやる」と呟き…元妻が証言した“クワで襲われた一部始終”「今も殺される夢を見る」
NEWSポストセブン
江夏豊氏(左)、田淵幸一氏の「黄金バッテリー」対談
【江夏豊×田淵幸一「黄金バッテリー」対談】独走Vの藤川阪神について語り合う「1985年の日本一との違い」「短期決戦の戦い方」
週刊ポスト
浅香光代さんの稽古場に異変が…
《浅香光代さんの浅草豪邸から内縁夫(91)が姿を消して…》“ミッチー・サッチー騒動”発端となった稽古場が「オフィスルーム」に様変わりしていた
NEWSポストセブン
群馬県前橋市の小川晶市長(42)が部下とラブホテルに訪れていることがわかった(左/共同通信)
【前橋市長のモテすぎ素顔】「ドデカいタケノコもって笑顔ふりまく市長なんて他にいない」「彼女を誰が車で送るかで小競り合い」高齢者まで“メロメロ”にする小川市長の“魅力伝説”
NEWSポストセブン
関係者が語る真美子さんの「意外なドラテク」(getty image/共同通信)
《ポルシェを慣れた手つきで…》真美子さんが大谷翔平を隣に乗せて帰宅、「奥さんが運転というのは珍しい」関係者が語った“意外なドライビングテクニック”
NEWSポストセブン
部下の既婚男性と複数回にわたってラブホテルを訪れていた小川晶市長(写真/共同通信社)
《部下とラブホ通い》前橋市・小川晶市長、県議時代は“前橋の長澤まさみ”と呼ばれ人気 結婚にはまったく興味がなくても「親密なパートナーは常にいる」という素顔 
女性セブン
八田容疑者の祖母がNEWSポストセブンの取材に応じた(『大分県別府市大学生死亡ひき逃げ事件早期解決を願う会』公式Xより)
《別府・ひき逃げ殺人の時効が消滅》「死ぬ間際まで與一を心配していました」重要指名手配犯・八田與一容疑者の“最大の味方”が逝去 祖母があらためて訴えた“事件の酌量”
NEWSポストセブン
男性部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長
「青空ジップラインからのラブホ」「ラブホからの灯籠流し」前橋・42歳女性市長、公務のスキマにラブホ利用の“過密スケジュール”
NEWSポストセブン
「ゼロ日」で59歳の男性と再婚したという坂口
《お相手は59歳会社員》坂口杏里、再婚は「ゼロ日」で…「ガルバの客として来てくれた」「専業主婦になりました」本人が語った「子供が欲しい」の真意
NEWSポストセブン