安倍晋三首相が昨年の総選挙で掲げたスローガン「日本を、取り戻す」。その真意は何か。安倍首相が野党時代も含めて、過去10年間、新しい国作りについて本誌・SAPIOに語ってきた語録から振り返ってみる。ここでは主権・領土について紹介しよう。
安倍首相の主権、領土に対する思いは強い。1月の南アジア3か国訪問のように、中国の尖閣諸島に対する野心を警戒して他国と連携する姿勢は民主党政権時代には見られなかった。
そして4月28日、サンフランシスコ講和条約が発効し、GHQの占領統治が終わった日を「主権回復の日」としてあらためて政府主催の記念式典を行なった。
一部の左翼系メディアは、沖縄、奄美、小笠原が米政権下に組み入れられて「国から切り離された『屈辱の日』」だとして首相の配慮が足りないと批判した。批判の是非はともかく、この政府式典がなければ日本がいつ主権を回復したのか、意識しない若者も多かっただろう。
〈いかなる状況下でも、交渉相手国に対して、歴史を踏まえ、国際法に則って、日本の正当性を粘り強くしっかりと主張していくことが大切だと思います。国内においては、国民に領土問題を正しく教えていくことが必要でしょう〉(2007年6月27日号。インタビューは2006年8月2日)
※SAPIO2013年6月号