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食品カロリー表示 誤差20%容認のため悪用し“過少申告”も

「健康ブーム」「ダイエットブーム」に乗って、次々とヘルシーを前面に打ち出した商品が発表されている。特に最近は、飲料を中心として「ゼロカロリー」「カロリーオフ」なる言葉をよく耳にするだろう。

 技術の革新とともに、本来の味を損なわないまま、カロリーだけを抑える。なんとゼロにもなる──。まさに夢のような食品だが、果たしてそんなことは本当に可能なのだろうか。

 結論からいえば、実は少しだけカロリーがある。こうした文言を謳う場合、消費者庁によって、その基準値が決まっている。基準値よりも低ければ、そう謳ってもよいということである(以下断わりがない限り、すべて食品なら100グラムあたり、飲料なら100ミリリットルあたりの基準値の数値)。

●ゼロカロリー
→5キロカロリー

●カロリーオフ
→食品は40キロカロリー、飲料は20キロカロリー。ちなみに、これは砂糖や脂肪などにも適用される。

●ノンシュガー(無糖)
→0.5グラム

●微糖
→食品5グラム、飲料2.5グラム

●無脂肪
→0.5グラム

●低脂肪
→食品3グラム、飲料1.5グラム

 さて、ここからが本題だ。確かに基準値だけ見ると、例えば「ゼロカロリー」などは、確かにほとんどカロリーがないことになる。しかしポイントは、これが「100グラム(ミリリットル)あたり」の値であるということだ。つまり、実際に体に入れる量であるボトル1本あたりに換算すると、この数倍になるのである。

 実際の商品に掲載された成分表示も、100グラム(ミリリットル)あたりの単位となっているものがほとんどなので、錯覚しやすい。冷静に考えれば気づきそうなものだが、意外と見落としている。

 さらにカロリー表示については、あまり知られていない事実がある。

 食材には産地や季節、部位によって含有成分も違えば、調理法によってもカロリーは変わる。そのため食品のカロリー表示には健康増進法によって、誤差が容認されている。だがその数値は、なんと「プラスマイナス20%」もの幅があるのだ。

 つまり、スーパーの店頭に並ぶ「800キロカロリーの弁当」が、実際には1000キロカロリーであったとしても、何らお咎めはない。そうなると、この誤差を悪用して“過少申告”する、確信犯的商品が珍しくなくなってくる。

「本当は1000キロカロリーあるメニューでも、少なめに表示して、少しでもヘルシーなものに見せることがあります」(弁当店スタッフ)

 弁当や惣菜に表示された数字、飲食店のメニューに記載されたカロリー数は、公的な機関が発表したものではない。あくまで店員もしくは栄養士が、文科省が発行している「日本食品標準成分表」をもとに計算して、弾きだしたものでしかないのだ。

※週刊ポスト2013年6月28日号

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