ビジネス

ブラック企業大賞実行委員 ブラック認定には2つの基準ある

〈嫌だと思ったら辞めればいいのでは? 辞めるの自由よん〉

 さる6月22日、ツイッターでこう呟いたのは、「ブラック企業」について意見を求められたホリエモンこと、堀江貴文氏だ。

「自由に辞めることができない、辞めても次の会社が見つからない」という指摘には、〈会社行かなきゃいいじゃん。起業すりゃいいじゃん〉と返答。さらに、「辞めた直後に一定以上の給与水準の仕事があるなら、みんなそうしている」と突っ込まれると、〈自分でやれよ! 何から何まで人頼みか!〉と切り返した。

 堀江氏の周辺だけではない。最近、特に20~30代の若い社会人の間でブラック企業の話題に関心が集まっている。

「ブラック企業」とは、もともとは犯罪組織や暴力団と繋がりを持つ反社会的企業を指す言葉だった。それが2007年頃からインターネット上で、“若年正社員を大量に雇用して使い捨てる企業”という新しい意味を帯びるようになる。『ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない』(新潮社、2008年刊)と題したビジネス書が映画化されたことを皮切りに、ブラック企業に関する書籍が次々に発売され、一般にも広く知られるようになった。

 人気集めのパフォーマンスか、政党もブラック企業叩きに参戦する。自民党の雇用問題調査会は4月、若者の使い捨てが疑われる企業へのハローワークでの就職紹介を止める検討を始めた。民主党は参院選公約に「『ブラック企業』問題については、求人票に離職率を明記させることをめざします」と掲げる。

 昨年からは「ブラック企業大賞」という企画も始まった。第2回になる今年は、6月27日に8つのノミネート企業・法人が発表され、現在、ネット上で投票が行なわれている(対象組織はワタミフードサービス、クロスカンパニー、ベネッセコーポレーション、サン・チャレンジ、王将フードサービス、西濃運輸、東急ハンズ、東北大学)。8月中旬に大賞が発表されるという。

 実行委員の1人で、「首都圏青年ユニオン青年非正規労働センター」事務局長の河添誠氏がいう。

「ブラック企業という言葉には明確な定義はありませんが、私たちは次の2つを基準にしています。1つは労働法やその他の法令に抵触、またその可能性があるグレーゾーンな条件の労働を従業員に強いる企業。もう1つはパワーハラスメントなど暴力的強制を常套手段とする企業です。今回選んだ8つの企業・法人は、すべて裁判での判決や行政上の認定が出ている事案を抱えているものです」

※週刊ポスト2013年7月19・26日号

関連記事

トピックス

田中圭
《田中圭が永野芽郁を招き入れた“別宅”》奥さんや子どもに迷惑かけられない…深酒後は元タレント妻に配慮して自宅回避の“家庭事情”
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告(中央)
《父・修被告よりわずかに軽い判決》母・浩子被告が浮かべていた“アルカイックスマイル”…札幌地裁は「執行猶予が妥当」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ラッパーとして活動する時期も(YouTubeより。現在は削除済み)
《川崎ストーカー死体遺棄事件》警察の対応に高まる批判 Googleマップに「臨港クズ警察署」、署の前で抗議の声があがり、機動隊が待機する事態に
NEWSポストセブン
ニセコアンヌプリは世界的なスキー場のある山としても知られている(時事通信フォト)
《じわじわ広がる中国バブル崩壊》建設費用踏み倒し、訪日観光客大量キャンセルに「泣くしかない」人たち「日本の話なんかどうでもいいと言われて唖然とした」
NEWSポストセブン
北海道札幌市にある建設会社「花井組」SNSでは社長が従業員に暴力を振るう動画が拡散されている(HPより、現在は削除済み)
《暴力動画拡散の花井組》 上半身裸で入れ墨を見せつけ、アウトロー漫画のLINEスタンプ…元従業員が明かした「ヤクザに強烈な憧れがある」 加害社長の素顔
NEWSポストセブン
筑波大学の入学式に出席された悠仁さま(撮影/JMPA)
悠仁さま入学から1か月、筑波大学で起こった変化 「棟に入るには学生証の提示」、出入りする関係業者にも「名札の装着、華美な服装は避けるよう指示」との証言
週刊ポスト
藤井聡太名人(時事通信フォト)
藤井聡太七冠が名人戦第2局で「AI評価値99%」から詰み筋ではない“守りの一手”を指した理由とは
NEWSポストセブン
趣里と父親である水谷豊
《趣里が結婚発表へ》父の水谷豊は“一切干渉しない”スタンス、愛情溢れる娘と設立した「新会社」の存在
NEWSポストセブン
米利休氏のTikTok「保証年収15万円」
東大卒でも〈年収15万円〉…廃業寸前ギリギリ米農家のリアルとは《寄せられた「月収ではなくて?」「もっとマシなウソをつけ」の声に反論》
NEWSポストセブン
SNS上で「ドバイ案件」が大騒動になっている(時事通信フォト)
《ドバイ“ヤギ案件”騒動の背景》美女や関係者が証言する「砂漠のテントで女性10人と性的パーティー」「5万米ドルで歯を抜かれたり、殴られたり」
NEWSポストセブン
“赤西軍団”と呼ばれる同年代グループ(2024年10月撮影)
《赤西仁と広瀬アリスの交際》2人を結びつけた“軍団”の結束「飲み友の山田孝之、松本潤が共通の知人」出会って3か月でペアリングの意気投合ぶり
NEWSポストセブン
田村容疑者のSNSのカバー画像
《目玉が入ったビンへの言葉がカギに》田村瑠奈の母・浩子被告、眼球見せられ「すごいね。」に有罪判決、裁判長が諭した“母親としての在り方”【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン