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フィットネスクラブが早朝営業で集客競争 朝ジム文化定着へ

 記録的猛暑と言われる今年の夏。だが、そんな暑さにも負けずスポーツに取り組む人も少なくない。ここ数年はランニング人気が続くなど健康志向が高まっている。こうした状況を背景に、夏のスポーツ需要を取り込もうと、涼しい早朝から営業を行ったり、早朝割引などを始めるスポーツ施設も増えてきた。折しも「朝活」ブームである。夏の朝時間をめぐるビジネスが活発化している。

 平日の朝7時15分。東京・丸の内のフィットネスクラブ、ティップネスでは「朝YOGA教室」が始まる。参加者のほとんどは出勤前のビジネスマンやビジネスウーマンたちだ。週1回通っているという30代女性は「今年の夏から週1回、通い始めました。最近は夜も暑いですから、施設内は冷房が効いているとはいえ、なかなか運動をする気になれなくて」と語る。昨年、東京ステーションホテルの地下1階にオープンしたフィットネスラウンジ・ジェクサー東京は、7時から営業。7時から9時の利用者が一日の3割程度を占める日も少なくないという。

 フィットネスに限らず、ゴルフ練習場やテニススクールでも早朝営業が広がっている。新宿区・神宮外苑ゴルフスクールの早朝レッスンクラスは6時半から。江戸川区のロッテ葛西ゴルフは5時半から7時半まで、お得な90分打ち放題プランを実施している(土日祝日のみ)。高輪のテニスセンターでは7時から、スクールの後、自由にプレーができるという特典付きの早朝スクールを開催中だ。

 皇居を中心としたランナーたちにシャワーやコミュニケーションの場を提供する「ランナーズステーション」。ここは7時から営業しており、30~40代のビジネスマンが多く利用するという。実際に、夏でも走るランナーは増えているようだ。市民ランナーでAll Aboutの「ジョギング・マラソン」ガイドを務める谷中博史氏は、夏のランニングについてこう語る。

「秋からのレースシーズンに向けて、夏でもトレーニングをしておきたいと考えるランナーは増えています。ただこの季節は、夜より朝のほうが涼しい。だから、朝時間にシフトする人は多いようです。朝のうちに一汗かくと、日中も疲れにくくなりますから、一石二鳥でもあります。ただ、冬よりも一杯多く水を飲んでから走る、日差しが少ないコースを取るなど、夏ならではの対応は必要です。どうしても暑い時は、ジムなどの施設を利用するランナーもいるようですね」

 活況を呈しつつある早朝スポーツビジネスの現状について、船井総合研究所の濱田将士氏に聞いた。

「フィットネス業界について言えば、いまジムなどの施設を利用している人は、全人口の約3.3%で、ここ数年、横ばいが続いています。一方、何らかの朝活をされている人は、全体の約0.08%ですが増加傾向にある。この数は主に都心部に集中していますから、都心部では、朝の利用者が、スポーツ施設の利益につながっていると考えられます。

 一方、地方は発展途上ですね。スポーツをしたいという高齢層の需要はあるのですが、それを掬い取れていない。働き手が見つからないとか経費の問題で、施設側が採算に見合う早朝営業ができないという事情があります。ただ、需要があることは確実なので、今後伸びていくと考えられます」

 そして今後、“朝ジム”文化は定着していくだろうと予想する。

「業界的には夏に限らず、朝に運動やトレーニングするのが常識になりつつあります。フィットネス文化は元来、アメリカから入ってきたものです。現在、日本のフィットネスジムは9時半から10時オープンが一般的ですが、アメリカでは5時、6時が普通なんですね。今後は営業時間に関しても、米国化が進んでいくと言えるでしょう」

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