ライフ

神経の痛み「オノマトペ使って伝えると診断しやすい」と医師

 奇抜なファッションと親しみやすい楽曲で知られる歌手のレディー・ガガは、新作の発表にあわせて受けた最近のインタビューで、今年2月の骨盤手術後に襲った腰の痛みが耐えられないほどひどかったと打ち明けている。彼女のように痛みを感じて医師にかかっても「痛さの度合いは1から10のうち何番目ですか?」と問われ、どういってよいかわからず「ジンジン」「ピリピリ」「ヒリヒリ」とオノマトペで答えたことがある人も多いだろう。

 普段何気ない会話の中で使っているオノマトペ。これは、擬音語・擬態語と呼ばれ、約5000語あり、最近は医療の世界でも重要視されているという。

「痛みについて、より明確に伝えようと、オノマトペを使って説明する患者さんも増えています」とは、痛みの治療に詳しい日本大学医学部附属板橋病院麻酔科診療教授の加藤実さん。

 実際、慢性痛について通院経験があり、何らかの疾患があると診察された男女4505人に、自分の痛みをオノマトペで表現してもらった結果(「オノマトペラボ」調べ)、頭痛や関節症は「ズキンズキン」「ガンガン」、椎間板ヘルニアや腰痛は「ジンジン」など、症状によって様々な痛みの表現があり、医師に伝える際、患者は使い分けていることが分かった。

「痛みには種類があります。炎症・刺激が原因の痛みは『ズキズキ』と表現することが多いですね。これはケガや頭痛などで起こるもっとも一般的な痛みです。

 一方、坐骨神経痛など、神経に傷がついて起こる痛みは『ビリビリ』『ジンジン』することが多く、神経障害性の痛みとされます。神経に原因がある痛みは一般的な鎮痛薬でとれないことも。まずは痛みの種類を見極めることが大切です」(加藤さん)

 実際、慢性的な痛みに悩んでいる人は全国で2700万人いるといわれ、そのうちの4人に1人が、神経障害性の痛みの疑いがある。

「我慢を美徳とする日本では、痛みを我慢してしまう人が多いんです。痛みは我慢し続けると、治らないことへの不安からうつ症状を引き起こし、心因性の痛みを伴って悪化することも。とくに神経障害性の痛みは、ケガなどと違って目に見える症状がない上、検査をしても異常が出ない場合が多いので、自己申告が診断のカギとなります。

 火傷のあとのような『ヒリヒリ』する痛み、電気が走るような『ビリビリ』した痛みを感じたら、それは神経障害性の痛みの可能性があります」(加藤さん)

関連キーワード

関連記事

トピックス

ヴィクトリア皇太子と夫のダニエル王子を招かれた天皇皇后両陛下(2025年10月14日、時事通信フォト)
「同じシルバーのお召し物が素敵」皇后雅子さま、夕食会ファッションは“クール”で洗練されたセットアップコーデ
NEWSポストセブン
高校時代の青木被告(集合写真)
【長野立てこもり殺人事件判決】「絞首刑になるのは長く辛く苦しいので、そういう死に方は嫌だ」死刑を言い渡された犯人が逮捕前に語っていた極刑への思い
NEWSポストセブン
ラブホテルから出てくる小川晶・市長(左)とX氏
【前橋市・小川晶市長に問われる“市長の資質”】「高級外車のドアを既婚部下に開けさせ、後部座席に乗り込みラブホへ」証拠動画で浮かび上がった“釈明会見の矛盾”
週刊ポスト
米倉涼子を追い詰めたのはだれか(時事通信フォト)
《米倉涼子マトリガサ入れ報道の深層》ダンサー恋人だけではない「モラハラ疑惑」「覚醒剤で逮捕」「隠し子」…男性のトラブルに巻き込まれるパターンが多いその人生
週刊ポスト
問題は小川晶・市長に政治家としての資質が問われていること(時事通信フォト)
「ズバリ、彼女の魅力は顔だよ」前橋市・小川晶市長、“ラブホ通い”発覚後も熱烈支援者からは擁護の声、支援団体幹部「彼女を信じているよ」
週刊ポスト
新聞・テレビにとってなぜ「高市政権ができない」ほうが有り難いのか(時事通信フォト)
《自民党総裁選の予測も大外れ》解散風を煽り「自民苦戦」を書き立てる新聞・テレビから透けて見える“高市政権では政権中枢に食い込めない”メディアの事情
週刊ポスト
ソフトバンクの佐藤直樹(時事通信フォト)
【独自】ソフトバンクドラ1佐藤直樹が婚約者への顔面殴打で警察沙汰 女性は「殺されるかと思った」リーグ優勝に貢献した“鷹のスピードスター”が男女トラブル 双方被害届の泥沼
NEWSポストセブン
出廷した水原一平被告(共同通信フォト)
《水原一平を待ち続ける》最愛の妻・Aさんが“引っ越し”、夫婦で住んでいた「プール付きマンション」を解約…「一平さんしか家族がいない」明かされていた一途な思い
NEWSポストセブン
公務に臨まれるたびに、そのファッションが注目を集める秋篠宮家の次女・佳子さま(共同通信社)
「スタイリストはいないの?」秋篠宮家・佳子さまがお召しになった“クッキリ服”に賛否、世界各地のSNSやウェブサイトで反響広まる
NEWSポストセブン
司組長が到着した。傘をさすのは竹内照明・弘道会会長だ
「110年の山口組の歴史に汚点を残すのでは…」山口組・司忍組長、竹内照明若頭が狙う“総本部奪還作戦”【警察は「壊滅まで解除はない」と強硬姿勢】
NEWSポストセブン
「第72回日本伝統工芸展京都展」を視察された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月10日、撮影/JMPA)
《京都ではんなりファッション》佳子さま、シンプルなアイボリーのセットアップに華やかさをプラス 和柄のスカーフは室町時代から続く京都の老舗ブランド
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 電撃解散なら「高市自民240議席の激勝」ほか
NEWSポストセブン