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ソウル市内の入浴施設 客の要請で「外国人用洗身室」を設置

 英語教育に力を入れる韓国だが、一方では国連人種差別撤廃委員会(CERD)に、国内に蔓延(はびこ)る人種・民族差別の是正を促されるなど、差別の横行が問題視されている。

 文化日報2014年1月16日付によると、ソウル市内のある大型入浴施設の女性用の風呂には「外国人用洗身室」という表札がかけられた場所がある。そこは外国人専用の入浴場で、施設の中でも孤立した所にあり、浴槽はなくシャワーが4つ設置されているだけ。他の浴室とは違って暖房もない。施設関係者は「外国人と一緒に入浴するのが嫌だというお客様がいたので作った。外国人だからといって入店をお断わりできないので」と釈明したという。

  差別は雇用でも見られる。10年前に韓国人の夫と結婚し、以来韓国で家政婦をしている40代のウズベキスタン人女性は自身の経験を語る。

「ある家の奥さん(30代前半)は外国人に理解があり良い環境で働けていた。しかしある日、田舎から奥さんの義母(60代)がやって来ると、面と向かって『明日から来なくていい』とお金を渡された。

 トラブルを起こしたわけでもなく、解雇される理由は『外国人だから』という以外考えられない。現在は別の家で家政婦をしているが、いつまた同じような出来事が起こるかと思うと怖い」

 同じ外国人でも、日本など先進国出身者と新興国では扱いが全く違う。

「知り合いのスリランカ人男性は地方の企業に5年間勤め、外国人登録番号を持ち納税もしているが、アパートを借りる時に苦労していた。韓国ではアパートの部屋ごとに大家が違うために、不動産屋が仲介してくれても大家が外国人に貸してくれないことがある。日本人の留学生には貸すことが多いのに」(同女性)

※SAPIO2014年5月号

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