ライフ

看取り士が語る臨死体験 「亡くなった人に会うことが多い」

 死に直面した時、何やら不思議な体験をしたというのはよく聞く話だ。数年前、がんの治療中に肺炎をこじらせて集中治療室に入った柿沼雅さん(32才・仮名)は、こんな不思議な体験をしたという。

「意識が朦朧とする中、5年前に亡くなった大好きだった祖母や、昔飼っていた犬や猫が私を手招きして呼んでいた。近づいていくとみんなに囲まれてとても幸せな気持ちでしたね。空から『大丈夫だよ』とやさしい声がして温かい空気に包まれ、何度も『大丈夫』と言われて安心したのを覚えています。

 肺炎で苦しかったはずなのに、全く苦しくありませんでした。後で家族から危険な状態だったと聞きました。このまま幸せな気分でずっといたいなと思っていたんですが、母の声が聞こえてきて気づくとベッドの上。この不思議な体験をしてからはいつも祖母に守られているような気持ちになり、家族にもやさしく接するようになりました」

 自宅での看取りをサポートする「看取りのプロ」たちは現場でいくつもの神秘現象に出合っている。一般社団法人「日本看取り士会」代表理事の柴田久美子氏は、約10年前からこれまでに50人ほど看取ってきた。柴田氏の印象に残っているのは、ホスピスで亡くなった64才の男性のケースだ。

「そのかたはがんで余命1か月を宣告されホスピスに入りました。娘さんが毎日お見舞いに通いましたが、精神的に不安定なときがあったんです。ある時、『車で走っていたら田んぼのあぜ道に車が落ちて脱輪してしまった。困っていると亡くなった友人たちが力を合わせて車を田んぼから引き揚げてくれたんだよ』と話してくれた。体は抗がん剤でボロボロでしたが、この“夢”を見て以来、精神的に楽になられたようです。ニコニコ笑って満面笑みで友人のお話をされていました。そしてすぐに安らかに旅立たれました」

 こうして見てみると「出会う人物」は人それぞれだ。いったい誰と会うことが多いのだろうか。

「亡くなった両親に会う人が多いようです。両親がご健在であれば、母系の父母、つまり母方のお祖父ちゃん、お祖母ちゃんが多いですね。既に亡くなった友人が現れることもあります」(柴田氏)

※女性セブン2014年8月21・28日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

優勝パレードには真美子さんも参加(時事通信フォト/共同通信社)
《頬を寄せ合い密着ツーショット》大谷翔平と真美子さんの“公開イチャイチャ”に「癒やされるわ~」ときめくファン、スキンシップで「意味がわからない」と驚かせた過去も
NEWSポストセブン
デート動画が話題になったドジャース・山本由伸とモデルの丹波仁希(TikTokより)
《熱愛説のモデル・Nikiは「日本に全然帰ってこない…」》山本由伸が購入していた“31億円の広すぎる豪邸”、「私はニッキー!」インスタでは「海外での水着姿」を度々披露
NEWSポストセブン
生きた状態の男性にガソリンをかけて火をつけ殺害したアンソニー・ボイド(写真/支援者提供)
《生きている男性に火をつけ殺害》“人道的な”窒素吸入マスクで死刑執行も「激しく喘ぐような呼吸が15分続き…」、アメリカでは「現代のリンチ」と批判の声【米アラバマ州】
NEWSポストセブン
“アンチ”岩田さんが語る「大谷選手の最大の魅力」とは(Xより)
《“大谷翔平アンチ”が振り返る今シーズン》「日本人投手には贔屓しろよ!と…」“HR数×1kmマラソン”岩田ゆうたさん、合計2113km走覇で決断した「とんでもない新ルール」
NEWSポストセブン
安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン