ビジネス

飽和状態のコンビニ市場 大前氏が常連客増やすサービス提案

 外食企業はかつて、アメリカ的なマニュアル経営でリーズナブルに同じ味を提供することに消費者のニーズがあった。しかし、好みが多様化した現在では、マニュアルにとらわれない接客、“for you(あなたのために)”という心配りが感じられるものが人気を集めると大前研一氏は分析している。その観点から、いま最も改革を迫られているコンビニが提供可能なサービスについて、大前氏が解説する。

 * * *
 いま最も改革のしがいがあるのはコンビニだ。もともと私は、コンビニの本質は自宅から半径250m以内にある“冷蔵庫・冷凍庫代わり”と指摘してきたが、今後はそのコンビニに“for you”のサービスが求められると思う。

 もはやコンビニ市場は乱立による飽和状態で、大都市では250mどころか100m以内に大手コンビニがひしめいている。セブン-イレブン同士、ローソン同士、ファミリーマート同士などでも競争している。

 そうなると、本部のマニュアルにとらわれずに独自サービスを提供したり、仕入れる商品をセレクトしたりして、どのように他店との差別化を図るかで勝負が分かれるだろう。つまり、もっと店長が前面に出てコンシェルジュ化し、お客との接点が柔らかい親近感のある店にして“顔なじみのお得意さん”を増やさないと、生き残っていけないと思うのである。

 たとえば、具体的に提案するなら、ワインセラー代行サービスだ。自宅にセラーがない人やセラーがあっても小さくて入りきらなくなった人のワインを一定期間、無料で預かるのだ。これなら店側のコストはとくにかからないし、ワインを引き取りにきた時におつまみなどを買ってくれる可能性も高い。なにより、そのサービス目当ての(かなりゆとりのある)常連客が増えるに違いない。

※週刊ポスト2015年1月30日号

関連記事

トピックス

近年ゲッソリと痩せていた様子がパパラッチされていたジャスティン・ビーバー(Guerin Charles/ABACA/共同通信イメージズ)
《その服どこで買ったの?》衝撃チェンジ姿のジャスティン・ビーバー(31)が“眼球バキバキTシャツ”披露でファン困惑 裁判決着の前後で「ヒゲを剃る」発言も
NEWSポストセブン
2025年10月末、秋田県内のJR線路で寝ていた子グマ。この後、轢かれてペシャンコになってしまった(住民撮影)
《線路で子グマがスヤスヤ…数時間後にペシャンコに》県民が語る熊対策で自衛隊派遣の秋田の“実情”「『命がけでとったクリ』を売る女性も」
NEWSポストセブン
(時事通信フォト)
文化勲章受章者を招く茶会が皇居宮殿で開催 天皇皇后両陛下は王貞治氏と野球の話題で交流、愛子さまと佳子さまは野沢雅子氏に興味津々 
女性セブン
各地でクマの被害が相次いでいる(右は2023年に秋田県でクマに襲われた男性)
「夫は体の原型がわからなくなるまで食い荒らされていた」空腹のヒグマが喰った夫、赤ん坊、雇い人…「異常に膨らんだ熊の胃から発見された内容物」
NEWSポストセブン
雅子さま(2025年10月28日、撮影/JMPA
【天皇陛下とトランプ大統領の会見の裏で…】一部の記者が大統領専用車『ビースト』と自撮り、アメリカ側激怒であわや外交問題 宮内庁と外務省の連携ミスを指摘する声も 
女性セブン
相次ぐクマ被害のために、映画ロケが中止に…(左/時事通信フォト、右/インスタグラムより)
《BE:FIRST脱退の三山凌輝》出演予定のクマ被害テーマ「ネトフリ」作品、“現状”を鑑みて撮影延期か…復帰作が大ピンチに
NEWSポストセブン
名古屋事件
【名古屋主婦殺害】長らく“未解決”として扱われてきた事件の大きな転機となった「丸刈り刑事」の登場 針を通すような緻密な捜査でたどり着いた「ソフトテニス部の名簿」 
女性セブン
今年の6月に不倫が報じられた錦織圭(AFP時事)
《世界ランキング急落》プロテニス・錦織圭、“下部大会”からの再出発する背景に不倫騒と選手生命の危機
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる(左/時事通信フォト)
《空腹でもないのに、ただただ人を襲い続けた》“モンスターベア”は捕獲して山へ帰してもまた戻ってくる…止めどない「熊害」の恐怖「顔面の半分を潰され、片目がボロり」
NEWSポストセブン
カニエの元妻で実業家のキム・カーダシアン(EPA=時事)
《金ピカパンツで空港に到着》カニエ・ウエストの妻が「ファッションを超える」アパレルブランド設立、現地報道は「元妻の“攻めすぎ下着”に勝負を挑む可能性」を示唆
NEWSポストセブン
大谷翔平と真美子さんの胸キュンワンシーンが話題に(共同通信社)
《真美子さんがウインク》大谷翔平が参加した優勝パレード、舞台裏でカメラマンが目撃していた「仲良し夫婦」のキュンキュンやりとり
NEWSポストセブン
兵庫県宝塚市で親族4人がボーガンで殺傷された事件の発生時、現場周辺は騒然とした(共同通信)
「子どもの頃は1人だった…」「嫌いなのは母」クロスボウ家族殺害の野津英滉被告(28)が心理検査で見せた“家族への執着”、被害者の弟に漏らした「悪かった」の言葉
NEWSポストセブン