スポーツ

小技うまい選手が二塁手の定番だったのが阪神優勝で変わった

「二塁手」について語る岡田彰布氏

 1985年の日本シリーズで9併殺を奪い、阪神タイガースの日本一を支えた二遊間コンビは、遊撃手の平田勝男氏と二塁手の岡田彰布氏だった。岡田氏には強打者としての印象が強いが、1985年にはダイヤモンドグラブ賞も受賞している。二塁手とは元来、打撃よりも守備が重視されていたのが、「1985年の阪神優勝によって流れが変わった」と岡田氏は指摘する。以下、岡田氏による二遊間論である。

 * * *
 プロになって初めて二塁を守ったが、二遊間は守備機会が一番多い。バントシフトやカットプレーをはじめ、走者が出ると牽制やゲッツーなど二遊間が必ず絡んでくる。守備で「やること」が多いので守りに重点が置かれていた。

 ベンチも一塁手と三塁手は打って、二遊間は堅実に守ってくれればいいという考えだった。オレの時代も二塁手の打順は1番か2番が定番。送りバントなど小技のうまい選手が多かった。篠塚和典、高木豊、正田耕三、大石大二郎といった打撃のいい選手でも、走者を返すよりチャンスメイクをする役割だった印象が強い。

 それが少し変わったのが、阪神が日本一になった1985年だった。二塁手のオレも掛布雅之さんやバースと中軸を形成し、甲子園バックスクリーンへの3連発が象徴しているように攻撃力を重視した守備配置を敷いていた。

 星野阪神がリーグ優勝した2003年も似ていた。オレは内野守備コーチをしていたが、中堅手に俊足で守備範囲が広い赤星憲広がいたこともあって、星野監督は二塁手に今岡誠を起用した。今岡は12本塁打と首位打者で優勝に大きく貢献した。今岡は二塁手タイプの選手ではなかったが、前年15本打った打撃力を期待されての起用だった。

 ただオレは監督2年目の2005年にその今岡を三塁手にコンバートした。守備の負担を軽減させてやるためだった。二塁手の経験があるオレとしては、今岡の打撃を活かすためには二塁守備が障害になると考えた。結果、打撃に集中できた今岡は打点王に輝いてリーグ優勝に貢献してくれた。これもある意味、攻撃力重視の守備配置といえる。

関連キーワード

トピックス

三浦瑠麗(本人のインスタグラムより)
《清志被告と離婚》三浦瑠麗氏、夫が抱いていた「複雑な感情」なぜこのタイミングでの“夫婦卒業”なのか 
NEWSポストセブン
オフの日は夕方から飲み続けると公言する今田美桜(時事通信フォト)
【撮影終わりの送迎車でハイボール】今田美桜の酒豪伝説 親友・永野芽郁と“ダラダラ飲み”、ほろ酔い顔にスタッフもメロメロ
週刊ポスト
バドミントンの大会に出場されていた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
《部活動に奮闘》悠仁さま、高校のバドミントン大会にご出場 黒ジャージー、黒スニーカーのスポーティーなお姿
女性セブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン