芸能

本当のタブーは政党批判より支持 前田武彦や高橋ジョージら

 テレビでの失言が世間で問題になるのはよくあること。そのなかには、世間的常識ではなく、あくまでテレビ独特のルールに反したということで、失言扱いされたものも少なくない。たとえば、政党批判はテレビの「タブー」だと言われている。政党批判がタブー扱いされるのは、放送法で「不偏不党」が定められており、政党からそれをもとに攻撃される危険性があるからだ。

 2000年6月の衆議院選挙特番『選挙ステーション2000』(テレビ朝日系)で司会の久米宏が、森喜朗首相(当時)の「無党派層は寝ていて欲しい」を受けて「投票に行かないと自民党が勝っちゃいますよ」と発言したことが、放送法違反ではないかと問題視された。この発言は次回2003年11月の衆院選で自民党幹部が同番組への出演拒否する事態にまでつながった。

 とはいえ、このことで久米がテレビから消されたかといえば、そんなことはない。実は、テレビの世界で本当に問題視されるのは、このように政党を批判するよりも、むしろ褒めることなのだ。放送法の「不偏不党」は、特定の政党支持を表明した時のほうが問題視されやすいというのが、テレビ村の「掟」である。

 タレント・司会者の「マエタケ」こと前田武彦は、1973年6月の参院選の補選で応援演説した共産党の候補者が当選した暁には、自身が司会する『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)で「バンザイ」すると公約し、当選後に決行。それが特定の政党を支持しているとしてフジサンケイグループ内で問題となり、前田は同年9月に番組を「勇退」する事態に追い込まれ、その後他局も含めて出演番組の大半を降板することになった。

 同様に、タレント・歌手の高橋ジョージは2010年3月、ニュースバラエティ番組『サンデージャポン』(TBS系)の生放送中に、「俺は公明党支持」と発言。翌週で「卒業」することになった。

 本当のタブーは、政党批判よりも政党支持なのである。

※SAPIO2015年5月号

関連記事

トピックス

安福久美子容疑者(69)の学生時代
《被害者夫と容疑者の同級生を取材》「色恋なんてする雰囲気じゃ…」“名古屋・26年前の主婦殺人事件”の既婚者子持ち・安福久美子容疑者の不可解な動機とは
NEWSポストセブン
ブラジルにある大学の法学部に通うアナ・パウラ・ヴェローゾ・フェルナンデス(Xより)
《ブラジルが震撼した女子大生シリアルキラー》サンドイッチ、コーヒー、ケーキ、煮込み料理、ミルクシェーク…5か月で4人を毒殺した狡猾な手口、殺人依頼の隠語は“卒業論文”
NEWSポストセブン
9月6日に成年式を迎え、成年皇族としての公務を本格的に開始した秋篠宮家の長男・悠仁さま(時事通信フォト)
スマッシュ「球速200キロ超え」も!? 悠仁さまと同じバドミントンサークルの学生が「球が速くなっていて驚いた」と証言
週刊ポスト
ソウル五輪・シンクロナイズドスイミング(現アーティスティックスイミング=AS)銅メダリストの小谷実可子
《顔出し解禁の愛娘は人気ドラマ出演女優》59歳の小谷実可子が見せた白水着の筋肉美、「生涯現役」の元メダリストが描く親子の夢
NEWSポストセブン
ドラマ『金田一少年の事件簿』などで活躍した古尾谷雅人さん(享年45)
「なんでアイドルと共演しなきゃいけないんだ」『金田一少年の事件簿』で存在感の俳優・古尾谷雅人さん、役者の長男が明かした亡き父の素顔「酔うと荒れるように…」
NEWSポストセブン
マイキー・マディソン(26)(時事通信フォト)
「スタイリストはクビにならないの?」米女優マイキー・マディソン(26)の“ほぼ裸ドレス”が物議…背景に“ボディ・ポジティブ”な考え方
NEWSポストセブン
各地でクマの被害が相次いでいる
《かつてのクマとはまったく違う…》「アーバン熊」は肉食に進化した“新世代の熊”、「狩りが苦手で主食は木の実や樹木」な熊を変えた「熊撃ち禁止令」とは
NEWSポストセブン
アルジェリア人のダビア・ベンキレッド被告(TikTokより)
「少女の顔を無理やり股に引き寄せて…」「遺体は旅行用トランクで運び出した」12歳少女を殺害したアルジェリア人女性(27)が終身刑、3年間の事件に涙の決着【仏・女性犯罪者で初の判決】
NEWSポストセブン
ガールズメッセ2025」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
佳子さまの「清楚すぎる水玉ワンピース」から見える“紀子さまとの絆”  ロングワンピースもVネックの半袖タイプもドット柄で「よく似合う」の声続々
週刊ポスト
永野芽郁の近影が目撃された(2025年10月)
《プラダのデニムパンツでお揃いコーデ》「男性のほうがウマが合う」永野芽郁が和風パスタ店でじゃれあった“イケメン元マネージャー”と深い信頼関係を築いたワケ
NEWSポストセブン
園遊会に出席された愛子さまと佳子さま(時事通信フォト/JMPA)
「ルール違反では?」と危惧する声も…愛子さまと佳子さまの“赤色セットアップ”が物議、皇室ジャーナリストが語る“お召し物の色ルール”実情
NEWSポストセブン
9月に開催した“全英バスツアー”の舞台裏を公開(インスタグラムより)
「車内で謎の上下運動」「大きく舌を出してストローを」“タダで行為できます”金髪美女インフルエンサーが公開した映像に意味深シーン
NEWSポストセブン