国際情報

中国のゾンビ肉「すでに国内に入っている可能性ある」と識者

 今年6月、中国の税関当局が冷凍食肉の密輸グループを摘発して計10万トンにおよぶ牛、鶏、豚などの食肉を没収したところ、1970年代、1980年代に生産された記録のある食肉が中国国内で流通していることがわかった。
 
 冷凍と解凍を繰り返した食肉の一部は腐敗していた。税関が冷凍庫に踏み込んだ際は強烈な悪臭が漂い、「ゾンビ肉」と呼ばれ中国国内に衝撃を与えている。
 
 ゾンビ肉は米国やブラジルから密輸されていったん香港に集められた後、ベトナム経由で中国国内に入り地方都市の飲食店やスーパーに運ばれたと報じられた。腐敗を隠すために香辛料で味付けしたり、オキシドールやホルマリンに浸し、“新鮮偽装”して屋台などで販売されるケースもある。
 
 昨年7月にも中国国内では期限切れ肉の使用が問題になった。日本マクドナルドとファミリーマートが販売するナゲットを生産していた中国の工場が使用期限を半月過ぎた鶏肉を使用し、販売中止に追い込まれた。
 
 毎年のように中国で発覚する食の安全問題だが、消費者問題研究所代表の垣田達哉氏は、「すでに中国のゾンビ肉が日本に入っている可能性は十分にある」と警告する。
 
「最もゾンビ肉が混入する可能性が高いのは、餃子やコロッケなどの挽肉系の加工冷凍食品です。中国国内にあるこれらの加工品工場を川上に遡って調べることは非常に難しい。古い肉を使っていても加工されていれば、日本に輸入する際に検査で発見することは不可能です」(垣田氏)

※週刊ポスト2015年7月31日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

都内の人気カフェで目撃された田中将大&里田まい夫妻(時事通信フォト/HPより))
《ファーム暮らしの夫と妻・里田まい》巨人・田中将大が人気カフェデートで見せた束の間の微笑…日米通算200勝を目前に「1軍から声が掛からない事情」
NEWSポストセブン
浅草・浅草寺で撮影された台湾人観光客の写真が物議を醸している(Xより)
「私に群がる日本のファンたち…」浅草・台湾人観光客の“#羞恥任務”が物議、ITジャーナリスト解説「炎上も計算の内かもしれません」
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト)
《横綱昇進》祖父が語る“怪物”大の里の子ども時代「生まれたときから大きく、朝ご飯は2回」「負けず嫌いじゃなかった」
NEWSポストセブン
ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
《スヤスヤ寝顔動画で話題の佳子さま》「メイクは引き算くらいがちょうどよいのでは…」ブラジル訪問の“まるでファッションショー”な日替わり衣装、専門家がワンポイントアドバイス【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
ヤクザが路上で客引きをしていた男性を脅すのにトクリュウを呼んで逮捕された(時事通信フォト)
《ヤクザとトクリュウの上下関係が不明に》大阪ミナミでトクリュウを集めて客引き男性を脅して暴力団幹部が逮捕 この事件で”用心棒”はどっちだったのか 
NEWSポストセブン
2013年大阪桐蔭の春夏甲子園出場に主力として貢献した福森大翔(本人提供)
【10万人に6例未満のがんと闘う甲子園のスター】絶望を支える妻の献身「私が治すから大丈夫」オリックス・森友哉、元阪神・西岡や岩田も応援
NEWSポストセブン
新横綱・大の里(時事通信フォト))
《地元秘話》横綱昇進の“怪物”大の里は唯一無二の愛されキャラ「トイレにひとりで行けないくらい怖がり」「友達も多くてニコニコしてかわいい子だったわ」
NEWSポストセブン
ミスタープロ野球として、日本中から愛された長嶋茂雄さんが6月3日、89才で亡くなった
長島三奈さん、自身の誕生日に父・長嶋茂雄さんが死去 どんな思いで偉大すぎる父を長年サポートし続けてきたのか
女性セブン
イギリス出身のインフルエンサーであるボニー・ブルー(本人のインスタグラムより)
金髪美女インフルエンサー(26)が “性的暴力を助長する”と批判殺到の「ふれあい動物園」企画直前にアカウント停止《1000人以上の男性と関係を持つ企画で話題に》
NEWSポストセブン
逮捕された波多野佑哉容疑者(共同通信)。現場になったラブホテル
《名古屋・美人局殺人》「事件現場の“女子大エリア”は治安が悪い」金髪ロングヘアの容疑者女性(19)が被害男性(32)に密着し…事件30分前に見せていた“親密そうな様子”
NEWSポストセブン
東京・昭島市周辺地域の下水処理を行っている多摩川上流水再生センター
《ウンコは資源》排泄大国ニッポンが抱える“黄金の資源”を活用できてない問題「江戸時代の取引金額は10億円前後」「北朝鮮では売買・窃盗の対象にも」
NEWSポストセブン
ブラジル公式訪問中の佳子さま(時事通信フォト)
《佳子さまの寝顔がSNSで拡散》「本当に美しくて、まるで人形みたい」の声も 識者が解説する佳子さま“現地フィーバー”のワケ
NEWSポストセブン