ビジネス

東芝の不適切会計問題 背景に経団連会長を巡る争いもあった

 今年4月に発覚した東芝の「不適切会計」問題は次々と新事実が明るみに出て、当初は500億円とされていた額が2000億円にまで膨れ上がった。

 社員たちはなぜ、巨額の“粉飾”に手を染めたのか。その背景として指摘されているのが、社内の激しい人事抗争だ。社長の出身母体が、パソコンや家電などの「家電系(弱電)」と、原子力などの「インフラ系(重電)」で交互に入れ替わり、その都度、社内の主流派閥も替わっていた。

 加えて東芝の“伝統”がトップの抗争に拍車を掛け、話をややこしくしている。経団連会長を巡る争いだ。

 過去、東芝は石坂泰三氏、土光敏夫氏という2人の経団連会長を輩出した。経団連の会長になるには、現役の社長か会長であることが必須条件だ。西田厚聰氏(現相談役・家電系)も2009年に東芝会長、経団連副会長に就任して、「財界総理」の有力候補と目されていた時期があった。

 ところが“壁”となったのが西田氏の前任の岡村正氏(現相談役・インフラ系)だった。西田氏が社長を退任した2009年当時、岡村氏は日本商工会議所会頭。経済3団体のトップ2人を同時に同じ企業の出身者が務めた前例はなく、西田氏の経団連会長就任には岡村氏が会頭を退く必要があった。

「そこに、西田氏の2代前の社長・西室泰三氏(現・日本郵政社長・家電系)の影響がありました。西室氏自身も経団連会長就任に意欲があるといわれている人物。最終的には“西田君はまだ早い”という西室裁定が効いたとみられている。

 東芝の社長人事は歴代社長経験者の了承がないと難しいといわれるほどOBの意向が強いので、従うしかなかった」(東芝に詳しいジャーナリスト)

 西田氏は経団連の副会長どまりで財界総理となる夢は幻と消えた。

関連キーワード

トピックス

足を止め、取材に答える大野
【活動休止後初!独占告白】大野智、「嵐」再始動に「必ず5人で集まって話をします」、自動車教習所通いには「免許はあともう少しかな」
女性セブン
今年1月から番組に復帰した神田正輝(事務所SNS より)
「本人が絶対話さない病状」激やせ復帰の神田正輝、『旅サラダ』番組存続の今後とスタッフが驚愕した“神田の変化”
NEWSポストセブン
大谷翔平選手(時事通信フォト)と妻・真美子さん(富士通レッドウェーブ公式ブログより)
《水原一平ショック》大谷翔平は「真美子なら安心してボケられる」妻の同級生が明かした「女神様キャラ」な一面
NEWSポストセブン
裏金問題を受けて辞職した宮澤博行・衆院議員
【パパ活辞職】宮澤博行議員、夜の繁華街でキャバクラ嬢に破顔 今井絵理子議員が食べた後の骨をむさぼり食う芸も
NEWSポストセブン
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
《那須町男女遺体遺棄事件》剛腕経営者だった被害者は近隣店舗と頻繁にトラブル 上野界隈では中国マフィアの影響も
女性セブン
日本、メジャーで活躍した松井秀喜氏(時事通信フォト)
【水原一平騒動も対照的】松井秀喜と全く違う「大谷翔平の生き方」結婚相手・真美子さんの公開や「通訳」をめぐる大きな違い
NEWSポストセブン
海外向けビジネスでは契約書とにらめっこの日々だという
フジ元アナ・秋元優里氏、竹林騒動から6年を経て再婚 現在はビジネス推進局で海外担当、お相手は総合商社の幹部クラス
女性セブン
大谷翔平の伝記絵本から水谷一平氏が消えた(写真/Aflo)
《大谷翔平の伝記絵本》水原一平容疑者の姿が消失、出版社は「協議のうえ修正」 大谷はトラブル再発防止のため“側近再編”を検討中
女性セブン
二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ
《独立後相次ぐオファー》二宮和也が『光る君へ』で大河ドラマ初出演へ 「終盤に出てくる重要な役」か
女性セブン
被害者の宝島龍太郎さん。上野で飲食店などを経営していた
《那須・2遺体》被害者は中国人オーナーが爆増した上野の繁華街で有名人「監禁や暴力は日常」「悪口がトラブルのもと」トラブル相次ぐ上野エリアの今
NEWSポストセブン
交際中のテレ朝斎藤アナとラグビー日本代表姫野選手
《名古屋お泊りデート写真》テレ朝・斎藤ちはるアナが乗り込んだラグビー姫野和樹の愛車助手席「無防備なジャージ姿のお忍び愛」
NEWSポストセブン
運送会社社長の大川さんを殺害した内田洋輔被告
【埼玉・会社社長メッタ刺し事件】「骨折していたのに何度も…」被害者の親友が語った29歳容疑者の事件後の“不可解な動き”
NEWSポストセブン