──今回の安保法案について、諸外国の反応を見ると、中国、韓国以外はアジアも欧米もおおむね評価しているという流れがあります。

高須:そう、そのあたりをもっと政府にアピールしてもらいたいところだけど、韓国が同盟国だからちょっとややこしいんだよね。中国と北朝鮮が反対しているだけだったら、もっと話はシンプルで、マスコミも安保法案賛成のほうに傾くと思う。あと、今もしも中国が尖閣あたりに空母でも出してきたら、みんな安保法案に賛成し始めるんじゃないかな。ただ、中国もそのあたりを理解しているだろうから、なりを潜めている感じだけどね。

──中国としては安保反対運動が盛り上がったほうがありがたいわけですからね。

高須:こんなことを言ったら怒られちゃうけど、今こそ中国をほんの少しだけ刺激して、ちょっとだけ攻めさせる時期なのかもね。

──たとえば今、尖閣諸島で中国の漁船が海上保安庁の巡視船に衝突した事件(2010年)のようなことが起きれば、安保法案に反対する人も少なくなるような気がしますね。

高須:そうそう、中国が、けが人が出ない程度にほんのちょっとだけやってくれればいい(笑い)。北朝鮮の潜水艇が漂着するだけでもいい。いつもなら、それくらいのことはよくあるのに、今だけ本当に平和なんだよね。これってつまり、安保法案の力なのかもしれないね。まだ批准していないのに、すでにこれだけの効果があるんだから、本当に戦争を回避するための法案なんだよ。

──ちょっと気になったのが「安保法案」という呼び方です。「安保」という言葉のイメージが強くて、反発しているという側面があるような気もします。

高須:それはあるだろうな。「安保」といわれると60年安保からの流れを想像してしまうからね。TPPみたいに「ANP」とかにしちゃうとか、「日米仲良く作戦法案」とか、「困ったときはお互いさま法案」とかにしちゃえばいいのかも(笑い)。そういう柔らかい言葉にするだけで、全然違うだろうね。ただ、安倍さんとしては、お祖父さんの岸(信介)さんが通した安保改定よりも、もっといいものを残したいっていう気持ちもあるだろうから、「安保」という言葉にはこだわってるのかもね。

 * * *
 安保法案を高く評価している高須院長。また、反安倍派の抗議運動については、あまりにも感情的すぎると、もどかしさすら感じているようで、ツイッターでは猛暑の中に子供を連れてくるデモ隊に対する怒りをぶちまけることもあった。

【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。

昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)など。最新刊は『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)。


関連記事

トピックス

店を出て並んで歩く小林(右)と小梅
【支払いは割り勘】小林薫、22才年下妻との仲良しディナー姿 「多く払った方が、家事休みね~」家事と育児は分担
女性セブン
岡田監督
【記事から消えた「お~ん」】阪神・岡田監督が囲み取材再開も、記者の“録音自粛”で「そらそうよ」や関西弁など各紙共通の表現が消滅
NEWSポストセブン
テレビや新聞など、さまざまなメディアが結婚相手・真美子さんに関する特集を行っている
《水原一平ショックを乗り越え》大谷翔平を支える妻・真美子さんのモテすぎ秘話 同級生たちは「寮内の食堂でも熱視線を浴びていた」と証言 人気沸騰にもどかしさも
NEWSポストセブン
「特定抗争指定暴力団」に指定する標章を、山口組総本部に貼る兵庫県警の捜査員。2020年1月(時事通信フォト)
《山口組新報にみる最新ヤクザ事情》「川柳」にみる取り締まり強化への嘆き 政治をネタに「政治家の 使用者責任 何処へと」
NEWSポストセブン
愛子さま
【愛子さま、日赤に就職】想定を大幅に上回る熱心な仕事ぶり ほぼフルタイム出勤で皇室活動と“ダブルワーク”状態
女性セブン
嵐について「必ず5人で集まって話をします」と語った大野智
【独占激白】嵐・大野智、活動休止後初めて取材に応じた!「今年に入ってから何度も会ってますよ。招集をかけるのは翔くんかな」
女性セブン
行きつけだった渋谷のクラブと若山容疑者
《那須2遺体》「まっすぐ育ってね」岡田准一からエールも「ハジけた客が多い」渋谷のクラブに首筋タトゥーで出没 元子役俳優が報酬欲しさに死体損壊の転落人生
NEWSポストセブン
成田きんさんの息子・幸男さん
【きんさん・ぎんさん】成田きんさんの息子・幸男さんは93歳 長寿の秘訣は「洒落っ気、色っ気、食いっ気です」
週刊ポスト
前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン