高須:数年のうちに体制が大きく変わるんじゃないかと思ってるんだよ。中国政府は今“粛清モード”だと言われてるけど、私腹を肥やす役人をどんどん片付けて、引き締めている状況なんだろうね。中では相当危機感を抱いていることは間違いない。早くて2年くらいで大きく変わると思う。
──今後、日本は中国とどう付き合っていったらいんでしょうか?
高須:政府は向こうの出方次第っていう部分もあるけど、少なくとも民間では今の段階では上手に付き合っていると思うよ。日本の美容整形でいえば、中国からの患者さんがものすごく多いしね。みなさん、ここ(高須クリニック)に来て、よく中国政府の悪口を言っているよ(笑い)。で、僕が冗談で「心配することないよ、上海や北京の病院と同じ薬を使ってる」って言うと、みんな顔色を変えるんだよ。「それだけはやめてくれ!」って(笑い)。
──以前は美容整形といえば韓国というイメージが強かったんですが、それも変わりつつあるんですね。
高須:ちょっと前なら、韓国の美容整形の売り上げの半分近くが中国人の患者によるものって言われてたんだけど、トラブルになることも多かったみたいで、どんどん減ってるようだね。それで今年6月に韓国でMARSが流行したところで決定的になった。中国から韓国への「美容整形ツアー」っていうのもたくさん企画されていたみたいだけど、それもどんどん日本へのツアーに切り替わってるみたいだね。
いずれにしろ、民間レベルでは日本と中国の関係はあまり変わらないだろうな。そもそも中国人って、国に対する帰属意識がそんなに強くないからね。「中国人」というよりも「上海人」とか「福建人」とか、そういう意識のほうが強いはず。だから、体制が変わっても、その人たち自体は変わらないんだよ。
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中国の体制が数年のうちに変化すると予測しつつも、民間での関係性は大きく変わらないと見る高須院長。ちなみに、高須クリニックには、中国の富裕層が多く来るとのこと。中国人の日本での“爆買い”はまだしばらく続きそうだ。
【プロフィール】
高須克弥(たかすかつや):1945年愛知県生まれ。医学博士。昭和大学医学部卒業、同大学院医学研究科博士課程修了。大学院在学中から海外へ(イタリアやドイツ)研修に行き、最新の美容外科技術を学ぶ。脂肪吸引手術をはじめ、世界の最新美容外科技術を日本に数多く紹介。
昭和大学医学部形成外科学客員教授。医療法人社団福祉会高須病院理事長。高須クリニック院長。人脈は芸能界、財界、政界と多岐にわたり幅広い。金色有功章、紺綬褒章を受章。著書に『バカにつける薬 ドクター高須の抱腹絶倒・健康術』(新潮OH!文庫)、『私、美人化計画』(祥伝社)、『シミ・しわ・たるみを自分で直す本』(KKベストセラーズ)、『ブスの壁』(新潮社、西原理恵子との共著)、『その健康法では「早死に」する!』(扶桑社)など。最新刊は『筋と義理を通せば人生はうまくいく』(宝島社)。