投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が2月8日~2月12日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円はもみあいか。米利上げペース鈍化観測が台頭しており、10日と11日に開かれるイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言における発言内容や質疑応答を点検し、年4回の利上げ実施の可否を見極める展開となりそうだ。
イエレンFRB議長は利上げを決定した昨年12月16日の米連邦公開市場委員会(FOMC)の会合後に行われた記者会見で、経済活動見通しや労働市場に対するリスクは安定しているとの見方を示した。
また、低水準のインフレ率は一時要因によるものであり、この要因がなくなることでインフレ圧力は高まっていくと指摘している。イエレンFRB議長の証言内容が3月を含めて今年4回の利上げの蓋然性を高めるものであれば、リスク選好的なドル買いが優勢となりそうだ。
なお、11日(木)には上院での証言も予定されている。基本的には上院での証言内容と同じものになるが、質疑応答の内容次第では金融市場に影響が及ぶ可能性があるので注意したい。
【米1月小売売上高】(12日発表予定)
市場予想は前月比+0.1%で12月実績の-0.1%との比較で改善が予想されている。想定内であれドル買いに振れやすい見通し。ただ、予想に反して前月比マイナスとなった場合、3月の追加利上げやその後の利上げペースが鈍化するとの見方が広がり、ドル売りがやや強まる可能性がある。
2月8日-12日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。