問題になったのは付加価値の高い「電磁鋼板」の最先端技術で、それを新日鐵の退職者から不法に入手し自社技術として生産にあたっていた。産業スパイ事件である。新日鐵からすると「飼い犬に手を咬まれた」ようなものだが、POSCO側がなかなか非を認めなかったため訴訟になっていたのだ。
また、一昨年にはソウルのロッテホテルが日本大使館の「自衛隊創設60周年記念レセプション」という外交行事の会場を、直前にドタキャンしている。
韓国マスコミの反日報道に怯えた結果だが、日本系として日本政府ご用達にもなっていたホテルだっただけに、その日本への“裏切り”が話題になった。
【PROFILE】1941年生まれ。京都大学卒業。共同通信ソウル支局長、産経新聞ソウル支局長を経て産経新聞ソウル駐在客員論説委員。著書に『決定版どうしても“日本離れ”できない韓国』(文春新書)など多数。
※SAPIO2016年3月号