国際情報

中国人のボーナス減 カラオケ割引券、米や豚肉の現物支給も

上海のビル群

 中国経済の揺らぎは「ボーナス事情」からも明らかなようだ。現地の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。

 * * *
 ボーナスの支給額によって喜んだり嘆いたり。そんな事情は、中国も同じである。とくに年末から年始かけてこの話題が熱い。そんな折も折、旧正月を前に参考消息ネットに掲載されたボーナスに関する記事(2016年1月30日付)が大きな反響を呼んだ。

 タイトルは、〈3分の2のホワイトカラーは今年、年末ボーナスをもらえなかった。代わりにもらったのは豚肉や感謝状〉であった。

 記事の中身はタイトルにある通りだが、数字の根拠となっているのは民間の調査会社である。人材市場に関する情報発信を行っている『智聯招聘ネット』(Zhao pin.com)である。同社は過去には同じ調査を行っていて、調査対象は全国32都市で働く1万615人のホワイトカラーである。

 記事によれば回答者のうち、3分の2の人がボーナスは「もらえない」もしくは、「出ないと思う」と回答したという。

 32都市のなかの比較では、ボーナス額が最も多かったのは杭州市。額は1万5044元(約25万8004円)であった。2位は北京の1万4412元(約24万7165円)。次いで上海と南京がそれぞれ1万3532元(約23万2073円)と1万1714元(約20万895円)で続いた。

 調査を行った『智聯招聘ネット』によれば、2015年は全体的にみて“ボーナスが委縮した年”として位置づけられるという。調査対象者のうち25.8%の人が「不景気のためにボーナスが減額された」と回答し、21.4%の人が企業業績の悪化のためボーナスが減らされたと答えたことも今の中国の事情をよく反映していると考えられている。

 驚いたのは、ボーナスがあると答えた人のなかでも11.7%の人が現金ではなく現物支給であったと回答していることだ。さらにその中身も、カラオケ割引券から米、豚肉、そして洗顔クリームや酷い場合には感謝状だけというのもあったようだ。

 現物支給となったサラリーマンの多くが「転職を考えている」と回答したというが、それも当たり前のことだろう。

関連キーワード

トピックス

自宅への家宅捜索が報じられた米倉(時事通信)
米倉涼子“ガサ入れ報道”の背景に「麻薬取締部の長く続く捜査」 社会部記者は「米倉さんはマトリからの調べに誠実に対応している」
香川県を訪問された紀子さまと佳子さま(2025年10月2日、撮影/JMPA)
佳子さまが着用した「涼しげな夏振袖」に込められた「母娘、姉妹の絆」 紀子さま、眞子さんのお印が描かれていた
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
《マトリが捜査》米倉涼子に“違法薬物ガサ入れ”報道 かつて体調不良時にはSNSに「ごめんなさい、ごめんなさい、本当にごめんなさい」…米倉の身に起きていた“異変”
NEWSポストセブン
きしたかの・高野正成(高野のXより)
《オファー続々》『水ダウ』“ほぼレギュラー“きしたかの・高野 「怒っているけど、実はいい人」で突出した業界人気を獲得 
NEWSポストセブン
迎賓施設「松下真々庵」を訪問された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月9日、撮影/JMPA)
《京都ご訪問で注目》佳子さま、身につけた“西陣織バレッタ”は売り切れに クラシカルな赤いワンピースで魅せた“和洋折衷スタイル”
NEWSポストセブン
米倉涼子(時事通信フォト)
《米倉涼子に“麻薬取締部ガサ入れ”報道》半同棲していた恋人・アルゼンチン人ダンサーは海外に…“諸事情により帰国が延期” 米倉の仕事キャンセル事情の背景を知りうるキーマン
NEWSポストセブン
イギリス人女性2人のスーツケースから合計35kg以上の大麻が見つかり逮捕された(バニスター被告のInstagramより)
《金髪美女コンビがNYからイギリスに大麻35kg密輸》有罪判決後も会員制サイトで過激コンテンツを販売し大炎上、被告らは「私たちの友情は揺るがないわ」
NEWSポストセブン
第79回国民スポーツ大会の閉会式に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(時事通信フォト)
「なんでこれにしたの?」秋篠宮家・佳子さまの“クッキリ服”にネット上で“心配する声”が強まる【国スポで滋賀県ご訪問】
NEWSポストセブン
"殺人グマ”による惨劇が起こってしまった(時事通信フォト)
「頭皮が食われ、頭蓋骨が露出した状態」「遺体のそばで『ウウー』と唸り声」殺人グマが起こした”バラバラ遺体“の惨劇、行政は「”特異な個体”の可能性も視野」《岩手県北上市》
NEWSポストセブン
第79回国民スポーツ大会の閉会式に出席された秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年10月8日、撮影/JMPA)
《プリンセスコーデに絶賛の声も》佳子さま、「ハーフアップの髪型×ロイヤルブルー」のワンピでガーリーに アイテムを変えて魅せた着回し術
NEWSポストセブン
大谷翔平の妻・真美子さん(写真/AFLO)
《髪をかきあげる真美子さんがチラ見え》“ドジャース夫人会”も気遣う「大谷翔平ファミリーの写真映り込み」、球団は「撮らないで」とピリピリモード
NEWSポストセブン
畠山愛理と鈴木誠也(本人のinstagram/時事通信)
《愛妻・畠山愛理がピッタリと隣に》鈴木誠也がファミリーで訪れた“シカゴの牛角” 居合わせた客が驚いた「庶民派ディナー」の様子
NEWSポストセブン