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『京都ぎらい』が話題になった理由を県民性博士が解説

「ええかきみ、嵯峨は京都とちがうんやで」。同じ京都市内にもかかわらず、右京区嵯峨の著者は、上京区西陣から嗤われる。しかしその西陣ですら、中京区から「西陣ふぜいが」と冷笑を受ける──そんな京都の嫌なところを暴露した本『京都ぎらい』(井上章一著・朝日新書)が話題を呼んでいる。

 さぞ、京都人は怒髪衝天状態と思いきや、意外にも、京都人からは「よくぞ言ってくれた」「そのとおり!」との声がやまないでいる。

「京都人の“中華思想(京都を中心に世界を考える発想)”はキリがないんです」と話すのは、京都市出身の60代主婦だ。

「洛中(=京都の市街地の中でもとくに中心地区)の人間は、相手が京都出身と聞いたら必ず“京都のどちら?”と尋ねます。これこそ自分が洛中人だというアピールなんですよ。ほとんどの人は洛中出身ではないですから、申し訳なさそうに“宇治なんです”とか“京都といっても奈良に近い方で…”などとつぶやくんですが、それを表面的な笑顔で“そうですか~、私は木屋町なんですよ。○○小学校の裏辺りで”と、なぜか細かい住所まで告げてくる(苦笑)。そして家に帰ってから“あの人、宇治だって、宇治!”とか、“○○なんて京都ちゃうや~ん”と冷笑するんです」

 しかし、洛中に住んだとて、そこには生え抜きか否かの問題が立ちはだかるとか。

「同じ京都市内ですけど、洛外から洛中のマンションに移り住んだ家族がいたんですよ。新居は鉾町(祇園祭りの鉾を掲げる町)だったこともあり、祭りの運営に携われると奥さんはえらい張り切ってたんです。でも、町会の会合で積極的に発言したことが古参町会員の気に障ってしまって。

 その後、会合に一切呼ばれなくなり、問い合わせても“そのうち”とか“また変更になって”とはぐらかされ続け、やっと呼ばれて行ったら、すでにすべての段取りが決まっていたそうです。最初は彼女も“いけずやわ~”と笑っていたんですが、そうした嫌がらせが1年も続いてノイローゼになってしまった。2年待たずにマンションは売却したそうです」(47才・女性・自営)

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