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二階俊博氏地元市長選 お世継ぎvs国家老で踏み絵迫られる市民

 自民党「影のドン」と呼ばれる二階俊博・総務会長(77)の地元は和歌山県御坊市。市内を「二階道路」が走り、「二階トンネル」や「二階ブリッジ」が架かるまさに“二階王国”のど真ん中で行なわれる市長選(5月22日投開票)に、二階氏の長男で秘書の俊樹氏(50)が出馬する。

 ド本命の立候補に誰もが圧勝を疑わなかった。ところが、そこにいったんは引退を口にしていた二階側近で、現役首長最多の当選6回を誇る現職市長・柏木征夫氏(75)が出馬を表明したことで、選挙戦は一転、「お世継ぎ」と「国家老」によるバトルと化したのだ。

 目下、両陣営は米大統領選ばりのネガティブキャンペーンを展開している。その内容を聞いてみると、俊樹陣営の支持者が、

「柏木市長は恩知らず。6期当選できたのは二階先生の後ろ盾あってこそで、選挙でも政策なんか出したことがなかった。最近まで隠居気分で役所を午後3時に退庁し、作務衣姿でスーパーで買い物をしていたじゃないか」

 といえば、柏木支持者もこう返す。

「俊樹氏は20年間地元秘書を務めたのに、態度が横柄で地元の評判が芳しくなく、国政の後継者の座を三男に奪われて行き場を失った。そこで公共事業が欲しい土建業者たちが二階先生のご機嫌を取るために長男を市長選に担ぎ出しただけ」

 人口2万4000人の小さな市で両陣営の選挙事務所の距離はわずか300メートル。中間にある喫茶店で最近まで同志だった両陣営のスタッフが鉢合わせすると、互いに挨拶もせず別のテーブルに向かい、小声でヒソヒソと悪口を言い合うというのだから“踏み絵”を迫られる市民はたまらない。

「うちは昔から二階先生の支持者じゃが、どっちが勝ってもしこりが残る。できれば選挙には行きたくない」

「こんな小さい町では誰がどっちに入れたかすぐバレる。みんな頭を抱えている」

 こうなるともはや和解はできそうにない。本誌の直撃に柏木市長は闘争心あふれるコメントだ。

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