国内

安倍首相 東京五輪開会式でのコスプレに前向き

リオではマリオに変身した安倍首相

 2020年の東京五輪をホスト役として迎えるのは安倍晋三首相か、それとも石破茂・元幹事長や岸田文雄・外相らポスト安倍の総理・総裁候補なのか。

 リオ五輪の閉会式でスーパーマリオのコスプレを演じて以来、安倍首相は東京五輪までの長期政権への意欲を隠さなくなってきた。官邸の安倍側近筋がいう。

「総理は最初、コスプレに乗り気ではなかった。ところが、海外メディアやネットで“日本の総理大臣はクールだ”と賞賛されると『東京五輪の開会式でもやっていいな』とすっかりその気になっている」

 単なる軽口ではない。もともと安倍首相はIOC総会(2013年)で五輪の東京招致に成功した直後に側近記者たちと酒食をともにした席で、「東京五輪はオレが呼んだんだから、オレがやるのが当然だろう」と本音を語っていたからだ。

 ただし、安倍首相の自民党総裁任期は2018年9月に切れる。自民党の党則には総裁の任期は2期6年までという多選制限規定が定められており、党則改正しなければ2年後に総裁を退任、新たな総裁が選ばれた時点で当然、首相も辞めることになる。2020年の東京五輪を首相として迎えるためには、党則改正による任期延長が不可欠だ。

 先に仕掛けたのは安倍首相だった。口では「総裁任期の延長は考えていない」と言いながら、8月の内閣改造・党役員人事で露骨な“任期延長シフト”を敷いた。

「任期延長は大いに検討に値する」と公言する二階俊博氏を幹事長に起用し、党則改正を議論する党の政治制度改革実行本部長に高村正彦・副総裁、本部長代行には茂木敏充・政調会長とシンパ議員で固め、「年内に任期延長の結論を出す」(二階氏)と強行突破を図ろうとしている。将来的に安倍首相からの“禅譲”を期待する稲田朋美・防衛相も早々に「前向きに検討」と賛意を示した。政治評論家の浅川博忠氏が語る。

「安倍首相が任期延長したい理由は3つある。まず東京五輪を自らの手でやることで、五輪に合わせて来日する各国首脳との首脳外交を仕切りたい。

 もう一つは首相を9年やれば、大叔父の佐藤栄作氏の持つ戦後最長の首相在任記録(7年8か月)ばかりか、戦前の桂太郎・首相の記録も塗り替え史上最長になる。

 さらに憲法改正です。残りの総裁任期の2年間では時間的に無理があるが、あと1期(3年)延長すれば、憲法改正の段取りを進めて国民投票を実現することが可能でしょう。そうした考え方から安倍首相は二階幹事長を使って任期延長を仕掛けている」

※週刊ポスト2016年9月16・23日号

関連記事

トピックス

NHK中川安奈アナウンサー(本人のインスタグラムより)
《広島局に突如登場》“けしからんインスタ”の中川安奈アナ、写真投稿に異変 社員からは「どうしたの?」の声
NEWSポストセブン
カラオケ大会を開催した中条きよし・維新参院議員
中条きよし・維新参院議員 芸能活動引退のはずが「カラオケ大会」で“おひねり営業”の現場
NEWSポストセブン
コーチェラの出演を終え、「すごく刺激なりました。最高でした!」とコメントした平野
コーチェラ出演のNumber_i、現地音楽関係者は驚きの称賛で「世界進出は思ったより早く進む」の声 ロスの空港では大勢のファンに神対応も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
襲撃翌日には、大分で参院補選の応援演説に立った(時事通信フォト)
「犯人は黙秘」「動機は不明」の岸田首相襲撃テロから1年 各県警に「専門部署」新設、警備強化で「選挙演説のスキ」は埋められるのか
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
5月31日付でJTマーヴェラスから退部となった吉原知子監督(時事通信フォト)
《女子バレー元日本代表主将が電撃退部の真相》「Vリーグ優勝5回」の功労者が「監督クビ」の背景と今後の去就
NEWSポストセブン