では、百寿者たちは、普段、何を食べているのか。好きな食べ物については、男女ともに「お米」がトップで、男性は75%、女性は76.3%に達している(複数回答あり)。長生きする人は圧倒的に「お米派」が多いことがわかる。
男性の場合は、お米と同率で1位になったのが、なんと「肉」(75%:同)である。肉をオカズに米を食う、まるで10代の若者のような食生活で、カロリーを気にする中高年男性なら避けるはずだが、それが長寿に効く。つまり病気予防ではなく老化予防のための食習慣といえそうだ。
さらに、一番好きな食べ物の自由回答では、「天ぷら」「カツ」「すき焼き」「お寿司」など、高カロリーな“ご馳走”が並んでいる。「グラタン」「クリームシチュー」「マーボーナス」といった“こってり系”も挙がっていた。
これらの結果について、元順天堂大学教授で、アンチエイジングを専門とする白澤抗加齢医学研究所所長の白澤卓二氏は、「カロリー源を脂肪から摂取しているのだと思います」と読み解く。
王貞治の一本足打法の生みの親で、打撃コーチとして川上巨人のV9を陰から支えた荒川博氏(86歳)は、自身の食生活をこう語る。
「肉? 大好きだよ。今でも週に1~2回はステーキを食べているよ。ボクは肉を食べると元気になる。夜はだいたいステーキか寿司。昼は近所の蕎麦屋で馬刺しを食べる。野菜は嫌いだからあまり食べない。残り少ない人生なんだから好きなものを食べなくっちゃ」
それが結果として、不足している栄養素を補う「老化予防」につながっている。
※週刊ポスト2016年11月11日号