「チームのムードメーカーで代表歴が長く、本田とも親しい。ハリル監督とも冗談を言い合える関係なので、本田が孤立しないようにする絶妙の“人選”でした。他の選手が“槙野さん、どうぞ”という感じで決まったようです」(協会関係者)
そんな“周囲のサポート”を受けた本田だが、チームとの距離感を感じさせる場面もあった。前半終了間際に清武弘嗣(27)がPKを決めてベンチに駆け寄ると、真っ先に槙野が清武を抱き上げ、他の控え選手も次々と祝福。ところが一人出遅れた本田は、歓喜の輪になかなか入れなかった。
本田は後半から投入されたが、決定機を逃すなど精彩を欠き、試合後は「みんなに聞いてやってください」の一言で会場を去った。
「本田が入った後半は明らかに攻撃のスピードが落ちた。先発復帰のためには試合に出られるチームに移籍すること。もちろん本田の経験と能力は必要ですが、そのときのベストなメンバーを選ばなければ大きなツケをはらうことになります」(サッカージャーナリストの牛木素吉郎氏)
20年ほど前の日本代表では、“キングカズ”こと三浦知良の移動バスの指定席(最後列左側)が「カズシート」と呼ばれた。ハリルジャパンのベンチの端が「ホンダシート」と呼ばれる日が来るか。
※週刊ポスト2016年12月2日号